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2017年2月5日 - 2017年2月11日

2017年2月 6日 (月)

児童虐待相談をコールセンターに委ねて大丈夫か

 児童虐待通報・相談窓口である189番が、つながりにくかったことを理由にコールセンターに集約されるという。携帯電話からの通報では各地域の相談窓口につながるまで2分近くかかり、その間に切ってしまうことが多く、これが30秒程度に短縮できることが期待されている。
 既に開設されている多くの行政コールセンターでは、センターが民間業者に委託され、業者が低賃金で使える非正規労働者、特にシングルマザーなど弱い立場の人たちを集めて酷使する現場になっているという問題が生じている。社会政策学会ではシングルマザーは転居を伴う稼働先の移動が簡単ではないため、単身者よりも低い労働条件の職場から脱出することが極めて困難との指摘がされている。つまり「逃げ場がない」わけで、追い詰めて低い労働条件で働かせたい使用者側にとっては極めて有利な条件と言える。
 また、非正規労働者には障害認定されるほどではないが精神的あるいは知的障害と思われる症状を抱えていることが少なくなく、学習障害と思われる者も珍しくない。これらは適切なケアを受けながら就労すれば普通に働けるし、多大な成果を出せる者も珍しくない。としても、非正規を中心に使っている事業者にそうしたケアを期待するのは極めて難しい。
 労働者を「使い捨て」する思想は当たり前で、役所からの委託費がそもそも低いのだから労働条件が低くて当たり前、使い捨ても当たり前と開き直る業者は当たり前に入る(むしろ、開き直らないような業者は極めて少ない)。
 特に物の売り買いではないのだから、こうした相談では現実には「すぐに話を聞いてもらいたい」という電話も少なくないし、メンタル不調の相談者などに対してはより慎重な対応が必要になる。しかし要求されるのは「時間短縮」なのだから、相反する業務を命じられる相談員の負担は並大抵ではない。
 精神的重圧、低賃金、不安定雇用という状態で運用される児童虐待防止の現場が新たな虐待を生み出すようなことにならなければよいが・・・

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