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2016年12月18日 - 2016年12月24日

2016年12月18日 (日)

「投資教育」は本当に必要か

 非正規化が進み、正社員といえども定年までの雇用すら怪しくなりつつある。ボーナスにしても15パーセントの労働者には縁がないものになっている。2000年代初頭の閉そく感漂う時期にもあったのだが、こういうときに出てくるのが「投資で儲けよう」というもので、そのために義務教育から「投資教育」を行うべきと言う主張がある。義務ではないにせよ、実はマネー教育というのはそれなりに浸透しつつある。というのも、金融業界が無償での学校教育に力を入れているからだ。

 だが、本当に「投資教育」が必要なのかと言えば、答えは否とするしかない。少なくとも、労働教育や主権者教育に比べると優先順位は低くてしかるべきだ。

 現実問題、株式投資などの投資に手を出した一般人は実のところあまり儲からない。言われてみれば当たり前なのだが、プロの投資家が多額の資金をつぎ込んでも大きな損失を出すのだから、それよりも資金力も情報収集力も劣るような一般人が勝ち抜くのは大変に難しい。それどころか、怪しい儲け話に乗って退職金を全額失ったなどと言う話は毎度のように出てくる。「消費者教育」としてうまい話はないことを教えるならともかく、「投資は儲かる」と刷り込むことになりかねない投資教育はむしろ危険でさえある。

 そもそも、特に義務教育においては様々な「外部教育」が競合するようになっている。労働教育、税教育、年金教育、情報保護教育、主権者教育など、他に優先すべき教育は多い。高校以上になれば義務教育に比べて時間は取りやすくなるとは言え、そもそも講義時間が潤沢に確保できているわけではないため、どうしてもできる教育は限られている。実際、根金教育や労働教育の提案に行っても「既に税教育で時間を押さえてしまった」として断られることも多い。

 まず先にやるべき教育がある。教育関係者はそこのところをはき違えるべきではない。

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