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2016年10月30日 - 2016年11月5日

2016年11月 4日 (金)

日比健太郎さんを悼む

 名古屋市議会議員の日比健太郎さんが逝去された。

 急性混合性白血病という骨髄性白血病と、リンパ性白血病が両方併発する白血病を患って、臍帯血移植を受けたことは知っていたが、経過は良好という話であり、年内には退院され遠からず復帰されると思っていただけに、残念でならない。

 30代は若い。若いが、徐々に病気が増えてくる。一方で、仕事ではもはや新人ではなく、重要な仕事を任されるようになる頃だ。それだけに、病気との向き合い方を考えなければならない世代でもある。

 病気治療と言っても簡単な話ではない。一般的な労働者の場合、私傷病では「休職」という扱いになることが多く、その間の生活は健康保険法の傷病手当金で賄うことになる。ただ、社会保険が適用されている労働者でなければ傷病手当金を受けることはできない。社会保険が適用されていない事業所に雇用されている労働者はもとより、社保逃れの企業、社保に入れないように労働時間等が調整されている労働者の生活は厳しいものになる。

 休職制度は法律で決められているものではないため、制度を設けるかどうかは労使の話し合い次第(実質的には使用者の裁量)ということになる。このため、休職制度が適用されるのは正社員のみになっている企業が多く、社保とも関連して非正規労働者には特に過酷な状態になっている。

 今や癌は治療技術の向上に伴って生存率が伸びた結果、治癒はしなくとも治療を受けながら社会生活を営むことができるようになった。一方、いかに就労とのバランスを保っていくかが今まで以上に重要になっている。国もがんの就労支援に力を入れているが、これを突破口として広く慢性疾患を抱えながら働く者に対する支援制度を構築していくべきだ。

 政治家にとって自分の病気を公開するというのは重い決断である。日比さんは、自分がここで終わるとは思っていなかっただろう。一定期間仕事を休まなければならない骨髄移植ドナーの支援体制の整備など、病気を境に気が付いた様々な問題に取り組んでいくつもりで闘病そのものを学びの場と考えつつ闘病されていたに違いない。日比さん本人が一番無念であろう。

 私自身も社会保険労務士として、難病や慢性疾患に対する就労支援に取り組んでいる。引き続き取り組むことが一番の供養になると思う。それにしても本当に残念だ。

2016年11月 1日 (火)

海賊対処部隊を縮小して大丈夫か

 稲田防衛大臣はソマリア沖の海賊対処部隊を護衛艦1隻程度に縮小すると発表した。海賊の認知件数が激減していることと、北朝鮮への備えに回すためという。
 いささか、考えが甘いのではないかと危惧せざるを得ない。確かに、ソマリア沖で暴れまわる海賊は激減した。としても、海賊の根拠地そのものを徹底的に叩いたわけではない。海賊に走る土壌そのものを改善できたわけでもない。歴史的に見ても、海賊を根絶するためには海賊の根拠地を徹底的に叩いて壊滅させ、海賊に乗り出していく人々が多い地域に交易船の船員などのまっとうな雇用を与える必要がある。残念ながら、ソマリア沖ではそのどちらも十分に行われたわけではない。
 そもそも、財宝やロマンを求めて海賊になるのは映画の中だけで、現実の海賊は全うに食っていける道がなく、仕方がないので海賊になる。一方で海賊はビジネスだから、軍艦で護衛されている船団を襲って玉砕するような馬鹿な真似はしない。
 海賊を生み出す社会状況を改善できなければ、海賊予備軍は相変わらず存在するという事になる。今はあくまでも、算盤勘定で海賊行為に及ぶのが損になっているから大人しくなっているに過ぎない。船団護衛が手薄になれば、すくに海賊は息を吹き返す。ビジネスである以上、儲かるとなれば必ず戻ってくる。
 海賊対策は確かに海上自衛隊にとっても負担であった。艦艇複数を常時中東に張り付けておくのは、国内に残る部隊を含めて人員のやりくりは厳しい。しかし、それでもなお陸上部隊がアフリカで慣れない駆け付け警護を行うのと比較すれば、日本の能力を発揮した国際貢献と言ってよい。我が国は有力な海上部隊をもって貢献した方がよい。

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