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2016年11月 4日 (金)

日比健太郎さんを悼む

 名古屋市議会議員の日比健太郎さんが逝去された。

 急性混合性白血病という骨髄性白血病と、リンパ性白血病が両方併発する白血病を患って、臍帯血移植を受けたことは知っていたが、経過は良好という話であり、年内には退院され遠からず復帰されると思っていただけに、残念でならない。

 30代は若い。若いが、徐々に病気が増えてくる。一方で、仕事ではもはや新人ではなく、重要な仕事を任されるようになる頃だ。それだけに、病気との向き合い方を考えなければならない世代でもある。

 病気治療と言っても簡単な話ではない。一般的な労働者の場合、私傷病では「休職」という扱いになることが多く、その間の生活は健康保険法の傷病手当金で賄うことになる。ただ、社会保険が適用されている労働者でなければ傷病手当金を受けることはできない。社会保険が適用されていない事業所に雇用されている労働者はもとより、社保逃れの企業、社保に入れないように労働時間等が調整されている労働者の生活は厳しいものになる。

 休職制度は法律で決められているものではないため、制度を設けるかどうかは労使の話し合い次第(実質的には使用者の裁量)ということになる。このため、休職制度が適用されるのは正社員のみになっている企業が多く、社保とも関連して非正規労働者には特に過酷な状態になっている。

 今や癌は治療技術の向上に伴って生存率が伸びた結果、治癒はしなくとも治療を受けながら社会生活を営むことができるようになった。一方、いかに就労とのバランスを保っていくかが今まで以上に重要になっている。国もがんの就労支援に力を入れているが、これを突破口として広く慢性疾患を抱えながら働く者に対する支援制度を構築していくべきだ。

 政治家にとって自分の病気を公開するというのは重い決断である。日比さんは、自分がここで終わるとは思っていなかっただろう。一定期間仕事を休まなければならない骨髄移植ドナーの支援体制の整備など、病気を境に気が付いた様々な問題に取り組んでいくつもりで闘病そのものを学びの場と考えつつ闘病されていたに違いない。日比さん本人が一番無念であろう。

 私自身も社会保険労務士として、難病や慢性疾患に対する就労支援に取り組んでいる。引き続き取り組むことが一番の供養になると思う。それにしても本当に残念だ。

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