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2016年11月 1日 (火)

海賊対処部隊を縮小して大丈夫か

 稲田防衛大臣はソマリア沖の海賊対処部隊を護衛艦1隻程度に縮小すると発表した。海賊の認知件数が激減していることと、北朝鮮への備えに回すためという。
 いささか、考えが甘いのではないかと危惧せざるを得ない。確かに、ソマリア沖で暴れまわる海賊は激減した。としても、海賊の根拠地そのものを徹底的に叩いたわけではない。海賊に走る土壌そのものを改善できたわけでもない。歴史的に見ても、海賊を根絶するためには海賊の根拠地を徹底的に叩いて壊滅させ、海賊に乗り出していく人々が多い地域に交易船の船員などのまっとうな雇用を与える必要がある。残念ながら、ソマリア沖ではそのどちらも十分に行われたわけではない。
 そもそも、財宝やロマンを求めて海賊になるのは映画の中だけで、現実の海賊は全うに食っていける道がなく、仕方がないので海賊になる。一方で海賊はビジネスだから、軍艦で護衛されている船団を襲って玉砕するような馬鹿な真似はしない。
 海賊を生み出す社会状況を改善できなければ、海賊予備軍は相変わらず存在するという事になる。今はあくまでも、算盤勘定で海賊行為に及ぶのが損になっているから大人しくなっているに過ぎない。船団護衛が手薄になれば、すくに海賊は息を吹き返す。ビジネスである以上、儲かるとなれば必ず戻ってくる。
 海賊対策は確かに海上自衛隊にとっても負担であった。艦艇複数を常時中東に張り付けておくのは、国内に残る部隊を含めて人員のやりくりは厳しい。しかし、それでもなお陸上部隊がアフリカで慣れない駆け付け警護を行うのと比較すれば、日本の能力を発揮した国際貢献と言ってよい。我が国は有力な海上部隊をもって貢献した方がよい。

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