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2015年12月6日 - 2015年12月12日

2015年12月 9日 (水)

ワタミ過労自殺事件和解

 ワタミの新入社員が過労自殺に追い込まれた事件で遺族がワタミを訴えていたが、和解が成立した。創業者である渡邉参議院議員も反省の弁を述べている。弁護団も「実質的な勝訴」と高く評価している。

 ただし、これで本当に組織的な問題が解決した、或いは解決すると思うのはいさか早計であろう。まず、ワタミグループ自体が介護事業を売却せざるを得なくなるほどの危機的状況に追い込まれており、「和民」の店舗名称も変更を検討する状態で、「ブラック企業イメージ」の痛手は深刻な状態にある。

 これで更に裁判が長引けばマイナスイメージが長引くことになる。敗訴でもすれば、判決文で「裁判所が認定した事実」として様々な事実が記載され、永久保存されることになる。判例検索ソフトで読むこともできるだろうし、学者や弁護士が判例評釈も書く。となれば、過去の「悪事」のかなりの部分が公式記録として残り、それが評釈として拡散してしまうよりは、どうせ負けるならと早期解決を図ったところもあるのではないか。これとは別の事案だが、使用者側の弁護士から「判決で先例の様に見られてしまうくらいなら、和解に持ち込んで何も先例を残さない方が得策である」と聞いたことがある。

 また、ワタミ自体が新たなビジネスモデルを構築するのは容易ではあるまい。渡邉参議院議員は今なお大株主であり、経営幹部も渡邉議員に引き立てられて就いた人たちである。自分の成功体験を簡単に否定したくないのが人情である。加えて、渡邉氏の理念を叩き込まれてきた人たちが、そもそも新しい考えができるのかすら、正直に言って怪しい。特に渡邉参議院議員自身が、今回の件では色々と問題のある言動を続けて来たし、関わっている学校等では反省して態度を改めたという話は聞かない。営利のための「エンギ」と見る向きは少なくない。

 本当にグループが変わるのか。そこまで見極めなければ、被害者は浮かばれまい。

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