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2015年7月19日 - 2015年7月25日

2015年7月25日 (土)

ロシア内務省が大量解雇

 経済情勢の悪化を受けて、ロシア内務省が11万人の職員を解雇することになった。それでもなお、100万人近い職員が勤務しているというのだから、時代が変わってもロシアにとって国内治安維持部門は重要という事だろう。

 問題は、首を切られる職員の処遇である。今回の大量解雇はウラジーミル・プーチン皇帝・・・いや大統領の肝いりで行われるとの事で、表立った批判は誰も出来ない。しかし、古今東西首を切られて不快に思わない人間はいない。いくら「財政的に厳しい」と言われても納得する人はそう多くない。不承不承、職場を追われるということになる。

 経済状態が厳しいという事で首切りに遭ったような元公務員が、そう簡単に再就職先を見つけるのは難しいだろう。そこに、外国の工作機関や、役所とのコネづくりを企む企業が目を付ける。在職中の人脈を使って生き延びるのは可愛い方で、自分を切った国に対する恨みも相俟って、積極的に国を売るような者も出てくるのではないか。

 冷戦終結後にロシアは大量の軍事や軍事技術者を解雇したが、この人たちが中国や北朝鮮に流れて軍拡や武器開発に関与していたのは周知の事実だ。冷戦後急激に増加したイスラム過激派にも、かつてのソ連の技術者が関与しているという。日本でも大手企業をリストラされた技術者が韓国企業に流れ、リストラがライバルとなる韓国企業に技術やノウハウを提供することになってしまった。

 最近では日本でも分限免職の活用が叫ばれるなど、公務員を切れる仕組みを作るべきだという声が高まっている。実際、社会保険庁の民営化では職を失った社保庁職員もいた。幸い重大な機密漏洩事件は起きていないが、これは能力や人格故に重要な仕事を任されておらず、本当にどうしようもない人たちだけに絞って切ったからだろう(無論、それ以外の人たちもいただろうが)。

 しかし、人員削減は機密や技術の流出につながりかねない。また、切られた元公務員が恨みから「積極的な売国奴」になる可能性もある。そのあたりも含めてロシアの動きを注視していく必要があるし、日本でも参考にしなければならないだろう。公務員人件費削減と言う耳障りのいいことに酔っていると、いずれ大変なことになる。

2015年7月24日 (金)

防衛白書の中国脅威論に思う

 防衛白書では、中国脅威論に大幅な筆が割かれた。無理もない、中国の海洋進出は着々と進んでいる。尖閣諸島周辺は日本の海上自衛隊・海上保安庁によって押し戻されているものの、ベトナムやフィリピンはまともな海上戦力がないこともあって、離島部を占拠した中国は基地を建設するなどして支配体制を固めている。脅威論が出ない方がおかしいと言うべきだろう。

 ただし、中国軍もこの白書の内容には満足しているに違いない。対日関係が緊迫していることを理由に、軍拡を続けることができる。艦長や提督の椅子の数が増えるのだから、悪い気がするわけもない。

 今の中国は100年前の大日本帝国を見ているようだが、大日本帝国軍の暴走のきっかけは「軍縮」だった。軍縮の首切りで生活の見通しが立たなくなることに軍人が危機感を抱き、意図的に「事変」を拡大することでポストの数を増やしたわけだ。だから、「将軍」の多くが蒋介石総統のお蔭でなれた「蒋軍」と自嘲していた一方、戦争を出世の機会程度と考える軍人が増えたことが国の破綻につながってしまった。

 中国との間には一定の軍事的な緊張関係がある方が、双方にとってむしろ「望ましい」状態と言えるのではないか。その点で、きちんと中国脅威論を書いたことは評価されてよい。

2015年7月23日 (木)

反安保法闘争は落選運動に発展するのか

 反安保法闘争が落選運動に発展するのではないか。こんな希望的観測が流れている。しかし、反安保闘争が落選運動に発展したとしても、現状では選挙の大勢に影響はないのではないか。

 まず、左翼活動乃至左翼に親和性のある人たちは、そもそもはじめから自民党に投票していない。確かに保守派の中でも安保法案に反対したり懐疑的な人たちは存在するが、自民党支持層の中では圧倒的に少数派だ。大多数の自民党支持者は政策の中身ではなく「周囲が推しているから」が重要になるので、落選運動が盛り上がったとしても「また左翼が何か言っている」くらいで終わる。自民党は浮動票を多少減らすかも知れないが、そもそも左翼はもともと自民党に投票してこなかった人たちだから、基礎票が減るわけではない。

 また、仮に保守層が落選運動に賛同したとしても、共産党の候補者に投票するわけにはいかないだろう。今の選挙は比較第一党に有利になるように制度設計がされているから、自民党候補を蹴落とすためには野党が団結し、特定の候補者に票を集中させる必要がある。しかし、「集団的自衛権を認めるために憲法改正が必要」と考える人たちと「個別的自衛権や自衛隊も認めない」(共産党員はともかく、共産党支持層にはこうした考え方の人も珍しくない)人たちがこの論点で一緒になれるわけもない。

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