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2015年7月12日 - 2015年7月18日

2015年7月14日 (火)

集団的自衛権反対論の問題

 いよいよ安保法の衆議院委員会採決が迫り、国会内外の攻防が激しくなってきた。私自身は集団的自衛権は一定の範囲内で認めても良いと考えているが、現行憲法上容認するのはかなり難しいこと、容認されたとしても政府の好き勝手に行使されないような制約をかけねばならないが、今のところ有効な方策が出てきていないこと、行使できる環境が整ったとしても、自衛隊の運用上できることとできないことがあり、中東地域での展開は困難であることから、急ぐ必要はなく、もっと年単位の時間をかけて議論を重ねた方がよいと考える。現状では、ペルシア湾の掃海作業や、ソマリア沖の海賊対策の時のような差し迫った脅威に集団的自衛権でただちに対応しなければならない状態ではないからだ。

 集団的自衛権に反対、辺野古への基地移設に反対、米軍基地の全面撤去に賛成、自衛隊違憲・・・と反対のレベルは異なるが、反対運動は日増しに高まっているように見える。特に中日新聞は連日反対の論陣を張り、朝日新聞や赤旗と変わらない。それでは日本の安全を確保するために具体的な策が示されているのかと言うと、今のところ反対派は「反対」を声高に叫ぶだけに留まっている。

 一方で、中国など近隣諸国が脅威であるとも認識している人たちが反対運動の中に少なくないことは、共産圏を礼賛していた過去の安保闘争とは質的に異なるところと言える。

 集団的自衛権を完全否定すれば、少なくともアメリカをはじめとする西側先進諸国は日本を「世界の秩序維持のための負担を共有できない国」として疑いの目で見るようになる(さすがに「テロ支援国家」「ISの仲間」にはしないだろうが)。これは法律ではなく政治の話になるが、他の先進諸国を納得させるだけの有効な方策はないか。

 個別的自衛権すら憲法違反、自衛隊も意見だから廃止という過激な意見まで出てくるようになったが、こうなると侵攻国に対して降伏するしかなくなる。フランスやポーランドのように、国土全体を占領されても亡命政権が他国と連携して領土奪回を行うという事が考えられなく...はないが、亡命政権も集団的自衛権を否定するとすれば、他国の協力を得るのは難しかろう。

 日本の主権を占領前に侵攻国よりはましな別の国に譲渡し、別の国が「自国領としての日本」を奪回することは考えられる。しかし、日本が国家としてそもそも消滅してしまうし、主権を譲渡した国が奪回してくれるかどうかは分からない。日本の海外資産だけ懐に入れで、あとは何もしないという事になるのではないか。奪回されたところで日本の主権は失われているのだから、併合先の国でまともに扱われるかどうかも定かではない。

 個別的自衛権を否定し、自衛隊も廃止したとしても、住民が外国の圧政に対してレジスタンスやパルチザン闘争を行うことまでは憲法は否定していないと解釈すれば、自発的に武器を持って立ち向かうことは許容されるという事になる。ただし、我が国の銃刀法は世界一厳しく、狩猟文化も発達していないので、市民は武器を持っていない。スイスのように一家に一丁ずつ自動小銃と弾薬が配備されていれば良いが、日本にはそのような制度も無い(それどころか、自衛隊は空薬莢まで厳重に管理しているくらいである)。


 となると、残された方法は鉈、竹槍、鎌、包丁やこん棒で立ち向かうとか、隙を見て敵軍の武器を奪い取って戦うしかなくなる。実際、戦前の日本では武器の所有はかなり広く認められていたが、実際に武器を所有している人がほとんどいなかった。本土決戦に備えて竹槍訓練が行われたが、これは市民の間にまともな武器が無かったという証明でもある。それで日本に侵攻するような部隊を追い出せるかどうか、興味深いところだ(ベトナムは竹槍で追い出した実績があることはあるが・・・)。

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