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2015年5月31日 - 2015年6月6日

2015年6月 5日 (金)

翁長知事の訪米結果は分かりきったこと

 沖縄県の翁長知事が基地撤廃を求めて訪米したが、アメリカの政府高官とは軒並み会見できず、かろうじて国務省の日本部長や市民団体と意見交換ができただけという結果に終わった。こうなることは行く前から分かり切っていたし、アメリカを含む国際社会の「常識」から言えば容易に想像ができたことだ。

 もともと、アメリカ側としては「血を流して取った沖縄を返還したのだから、基地使用の自由は当然」と思っているし、「アメリカの負担で駐留している」という認識であり、「基地が迷惑施設だから出ていけ」という知事の言い分はそもそも理解に苦しむところだろう。「基地がなくなれば戦争もなくなる」というお題目は、アメリカから見ればまさに「狂気の沙汰」であり、まともに取り合われないのはむしろ当然と言えよう。

 本来、安全保障関係の分野は地方自治体の出る幕ではないのだが、そこに口を出すとすれば北東アジアのパワーバランスを維持しながら基地を縮小・撤廃するためには何が必要かという提案をすべきであろう。

 単に「善隣友好」を唱えるのでは相手にされない。例えば海兵隊を移転させる代わりに高速輸送艦とその護衛艦を沖縄に新たに駐留させ、有事にはグアムやハワイから航空機で海兵隊員を沖縄に移動させ、沖縄で乗艦させるなどの提案があってよい。

 「安全保障」という自治体の管掌範囲外に切り込む以上、「住民の率直な意見」だけでは物事は進まない。基地撤去を望むのであれば、それを代替できる戦略を具体的に示していくべきだ。

 これは決して「空想」ではない。太平洋戦争末期の1944年になるまで、沖縄には大部隊の駐留はなかったのである。つまり、沖縄から大規模な基地撤去は不可能ではなく、そのような状況をいかにして作り出すか。ここが知恵の見せ所であろう。

2015年6月 2日 (火)

日本年金機構個人情報漏洩事件

 日本年金機構が悪質なコンピューターウイルスの攻撃を受け、判明しているだけで125万件もの基礎年金番号を含む個人情報が漏えいしたことが明らかになった。
 このような事態になれば相談窓口に問い合わせが殺到するのは明らかで、実際に相談窓口の電話がつながらない。機構は「100人体制で相談の電話を受け付けているが、近日中に1000人体制にする」と表明している。ここで注目すべきは「100人体制」を「1000人体制」にするのに、何処から人を集めて来るのかと言う事である。
 本来、このような対応をするのは年金制度や機構内部の事情に通じた人材でなければならない筈だ。大多数の問い合わせが、高度なレベルのものでないにせよ、専門家に応対させるのが「国民に対する誠意」というものだろう。しかし、いくら公務員や日本年金機構が「働かない給料泥棒がたくさんいる」と罵倒されていたとしても、短時間で1000人もの人間を集めることは難しい。恐らくはまた民間業者に丸投げするのだろう。
 そして、民間業者は派遣等非正規労働者を集めて対応させることになる。公務関連の事業を受託した企業が、その業務に正規労働者を充てているなどという話はほんど聞いたことが無い。このような不祥事に、年金制度や年金機構の知識もないような非正規労働者に応対させているとすれば、それ自体が国民に対する背信と言えないか。
 相談業務が外部委託されるとどうなるか。誰だって、苦情処理の業務などやりたくない。国民からの苦情は非正規労働者のところで食い止められ、彼らの心身を害させるだけに終わる。国民からの苦情は、機構の意思決定に携わっている者や、将来的に携わる可能性のある者のところには届かない。届くのは、「何件処理した」という数字だけだろう。これでは、機構の意思決定に携わる人たちが「痛みを痛みとして感じない」ことになるのは目に見えている。そうなると、また同じ事件を起こすことになるのではないか。

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