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2014年4月6日 - 2014年4月12日

2014年4月10日 (木)

やはり、非正規労働者の結婚は難しい

 三月末から四月にかけては異動・転勤の季節である。これを機会に結婚したり、結婚を前提として同居をはじめたりする例は珍しくない。

 面白いのは、非正規労働者を見ていると女性は結婚するが男性は結婚しない(できない)ということである。非正規労働者の中にも当然結婚している男性はいるのだが、正規労働者のうちに結婚していたり、学生や正規労働者のうちに結婚を前提とした交際をしていたりという「基盤」があってのことで、調べれば調べるほど「非正規労働者の男性が非正規労働者として知り合って結婚した」という事例はほとんど例がないことが分かる。一方、女性は本人が非正規労働者であることは今のところ恋愛や結婚に大きな障害になっていると認めることはできなかった。

 自営業者は非正規労働者とはまた少し違うが、かつてのようにサラリーマンの倍稼げるという時代ではない。何かの業種別の収入の中に社会保険労務士が600万くらいのことが書いてあったが、これは大企業の人事労務部門に勤務する勤務社会保険労務士が引き上げているという指摘もあり、開業ではかなり厳しい。特に親の跡を継いだわけでもない新人社会保険労務士の多くは年金事務所やハローワークでのアルバイト生活を余儀なくされる。弁護士ですら苦戦している状態だから、士業が結婚相手として敬遠されるのは無理からぬところだ。最近では独身の医師も増えてきているという。

 一方で、非正規労働者から正規労働者に転換できた場合、特に男性は恋活婚活に踏み出すことが多く見られる。非正規労働者の多い職場で正規労働者に登用された者の場合、その職場での「市場価値」は跳ね上がる。職場恋愛で女性労働者側にしてみると、正規労働者に転換された男性労働者は相当に魅力的に見えるものらしい。中には、この立場を利用して非正規労働者の人妻らとひそかに情を通じる輩もいるから始末に悪いが、大抵の場合非正規労働者はその職場に執着していないし改善を求めて動けば契約解除が契約更新はなくなるのが普通だから、ほとんど表沙汰にならない。

 恋愛や結婚に踏み出すことで顕著なのが非常勤講師や任期付教員から正規教員に転換できた大学教員だ。しかし、定年まで勤められて昇給があり、各種の研究費を自弁しなくても済むとはいえ、採用当初の正規教員の賃金は額面上任期付のそれと大差がないことが多い。そうすると、金銭的に一気に恵まれた状態になるわけではないから、将来の見通しや正規教員になれたという自信が恋愛や結婚を後押ししていると推察される。逆に非正規ポストでいくら「君は恵まれている」(実際、時給ベースに換算すると正規教員の底辺より恵まれている例がないわけではない)と力説しても、それが恋愛や結婚に踏み出すだけの自信につながるとは言えないのではないか。

 若い女性と話をすると、やはり非正規労働者や自営業者は敬遠される。これが現状だ。時間的金銭的に余裕が少ないこと、異性から実質的にそのような理由で対象外とされて落ち込むことが分かっているから、男性の非正規労働者は恋愛や結婚に踏み出せない。この問題を放置したままで若者が結婚する筈もないし、出生率など上がるわけもない。

 国策で「雇用の流動化」を進めれば、現状は更に悪化していくことだろう。政府与党や財界の推進している移民や外国人労働者の受け入れはそうなった時の穴埋めであり、とすれば権力側は既に非正規労働者を「見捨てる」決断をしているものと考えざるを得なくなる。

 将来が見えず家庭を持つことすらできない。この不満が中東では革命に繋がった。日本ではもっぱら孤立による自殺の方に向かい、政府転覆などには行きそうもないところが権力側にとって救いなのかも知れない。しかし、国内にリスクを溜めこんでいることは為政者は自覚しておいてもよい。

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