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2014年3月25日 (火)

台湾政界大混乱

 馬政権が推進する大陸との通商協定をめぐり、学生を中心とするデモ隊が立法院に乱入し議場を占拠し続けている。行政院にも乱入し、首相執務室にあたる院長室まで荒らされたというのだから事は深刻だ。

 台湾政治は一貫して中国との関係が重大な問題であり続けている。今回の問題は、政権と立法院の多数を占める国民党が大陸との関係強化を進めているのに対し、それでは大陸に飲み込まれてしまうのではないかとの危機感が爆発したものと言える。台湾の民主社会は大陸そのものを揺さぶってはいるものの、それだけでは経済的に大陸に飲み込まれることを阻止できない。

 1990年代までは、台湾と大陸のパワーバランスは核兵器はともかく海空戦力については圧倒的に台湾側に有利であった。しかし、2000年代に台湾は基隆級ミサイル駆逐艦とP3C哨戒機こそ導入できたものの、イージス艦の導入と潜水艦の更新には失敗し、護衛艦についても2000年当時の勢力のままである。航空兵力についても目立った進展は無かった。そして、その間に中国は一気に軍拡を進め、今や台湾海峡のパワーバランスは中国側に有利になりつつある。

 民進党政権時代、野党であった国民党は民進党政権の武器購入を妨害し、政権獲得後も中国に遠慮して対空ミサイルの開発を中止するなど、「国防」を疎かにしてきた感は否めない。もともと、台湾が大陸に対してある程度独自性を発揮してこれたのは、相当程度有力な海空兵力を持っていたからである。これが後退してしまったのだから、発言力が小さくなるのは仕方がない。

 1990年代初頭にも同じような混乱があったが、あの時は民主化を進めるプロセスをめぐる争いであった。その点では、当時の李登輝総統も与党である国民党も、本省人も外省人も、また野党であった民進党も独立派も統一派も一致していた。だからこそ、「国是会議」によって議論を集約することができた。しかし、今回は台湾内部の方向性はバラバラだし、大陸との関係をどうしていくのかはかなりの温度差がある。「国是会議」の二匹目の泥鰌を狙うのは難しい。

 残念なのは、ここで台湾軍がもっと強力であれば、台湾の人々は大陸との交流が深まってもここまでの恐怖心は感じずに済んだだろうということだ。

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