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2014年1月31日 (金)

籾井NHK会長発言に思う

 安倍総理肝いりで就任した籾井NHK会長が自身の発言を巡って国会に招致される事態となった。従軍慰安婦に関連した部分については左右双方から支持や批判が出ているが、私はむしろ報道機関を預かる者としての自覚に欠ける部分の方が問題ではないかと考える。

 NHKは国費から支出を受けているとは言っても「国営放送」ではない。報道機関の仕事として権力が隠しているものを国民に知らせるというものもある。報道機関としての本質においては、NHKとそれ以外の報道機関との間で差は無い筈だ。ところが、籾井会長は「政府に逆らうことはできない」という趣旨の発言をしている。これは要するに「政府に都合の悪いことは報道しません」と言っているのと同じことで、報道機関として職務放棄を行うと宣言したに等しい。

 NHKが新華社や朝鮮中央通信のように政府の宣伝機関としての位置づけならば問題はなかったのだろうが、それならば受信料を強制徴収するなどということは許されないことになる。今のような巨大組織を維持する理由もない。

 私自身は従軍慰安婦問題についてはかなりの部分が誇張やねつ造であると疑ってはいるが、最終的には歴史研究の中で議論されていく問題であって、報道機関の長と言えども個人的な意見があればそれを職務上問題がある意見だと批難するのは筋違いであると考える。しかし、その意見を国民に伝えて吟味するのも報道機関の役割である。もし、報道機関が「政府に逆らってはならない存在」となれば、国民は政府の決めたことしか知らされないことになる。ネットが発達しているとはいえ、やはり情報は大幅に制約される。こうした「情報統制国家」を肯定するような思想の方が、はるかに危険であると言える。

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