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2013年10月20日 - 2013年10月26日

2013年10月25日 (金)

贅沢司教

 キリスト教は清貧を説き、共産主義はそれを実践したw

                     政治ジョークより

 ドイツのリンツブルグ司教が住居の建設に少なくとも41億円を費やしたことについて、ローマ法王は司教に対して一時的に司教区を離れるよう命じた。司教を解任されたということではないようだが、清貧を尊しとする教皇フランシスコ1世にとってみれば贅沢三昧の聖職者を許すことは例え寛容を説く立場であるとしても許容できなかったのだろう。

 初期キリスト教会は別にして、中世のカトリックは西ヨーロッパでは「独占企業」だったから、聖職者は贅沢三昧をするのが伝統であった。何しろ、「宗教団体」というのは古典的な宗教だけでなく新興宗教も含めて、金集めとその運用の能力は目を見張るものがある。

 この司教が41億円をどのように手に入れたのかは定かではないが、信者からの寄進であったとしたら信者の方もたまるまい。運用して得たお金であったとしても、やはりそれは聖職者の贅沢三昧に使われるべきものではない筈だ。

 幸い、カトリックは今や西ヨーロッパでも「独占企業」ではない。聖職者が贅沢三昧では、いくら「地獄」で脅したとしても信徒の信頼を失ってしまうのは必至だ。信徒を逃さないためには、聖職者を「宗教官僚」にしてしまうのではまずいのだろう。

 西ヨーロッパやアメリカでは、福祉のかなりの部分を教会が担っていた。特にアメリカでは伝統的に社会保障制度を国や自治体が整備せず、「慈善」に多くが委ねられており、その担い手が教会であった。日本でも宗教法人は数々の特権が与えられているが、それは教祖や宗教官僚が贅沢をするためではなく、社会福祉の一部を担わせようという政策的意図があったのだろうが、少なくとも日本では破綻していると言わざるを得ない。人口比で見れば非常に少数派でしかないキリスト教関係者が教育や福祉で目立つのは、新興宗教も含めた仏教神道系の社会活動の貧弱さを象徴していると言えるのではないか。

 日本にも「坊主丸儲け」「地獄の沙汰も金次第」という言葉がある。カトリックの歴史は良くも悪くも堕落と自浄のせめぎ合いの歴史であったから、今回のフランシスコ1世の沙汰もまた、カトリックの伝統に則っているという皮肉な見方ができなくもない。

2013年10月23日 (水)

大学入試センター試験廃止

 政府の教育再生実行会議は大学入試センター試験を廃止し、新たに「達成度テスト」を導入するという。高校在学中に複数回受験するようにするそうだ。

 確かに、大学生の「質の低下」は問題である。しかし、その責任は大学だけにあるのだろうか。日本語力の低下などは高校、中学、小学校まで遡って対応を考えねば解決できまい。

 加えて、高校在学中に受けたテストまでが大学入試段階で参考にされるというようなことになると、従来のように「高校在学中に伸びた」学生などはかなり苦しくなる。私も高校入学直後の成績は大学と名のつくところに入るなど難しいような成績だった。大学受験対策は高校入学直後から始まるのは普通の事だが、実際に高校一年から受けた試験結果が合否に反映されるというようなことになると、高校三年間をそのまま「受験生」とせざるを得なくなるだけでなく、スタート段階で落ちこぼれた者のやる気を大いに削ぐことになるのは必至であろう。

 加えて、大学独自の試験は「人物を見る」ために学力試験を廃止することまで検討されている。こうなると、政府の方針に従わざるを得ない国立大学は達成度試験を基準に学生を専攻せざるを得ない。小論文や面接など、余程のものでなければ甲乙をつけるのは難しいからだ。

 入試制度の変更より、基礎学力をつけさせるための読書や討論の時間を義務教育の早い段階から設けることを検討すべきだ。達成度試験を導入したとしても、現状では大学と高校生の負担だけが増える。そして、一定の達成度試験の点数を取らなければ大学入学を認めないというような制度ではないから、大学には相変わらず教授に支障する学生が入ってくるのを止めることはできないのではないか。

2013年10月21日 (月)

豪華寝台列車ななつ星

 JR九州が運行を開始した豪華寝台列車「ななつ星」が話題を呼んでいる。今まで豪華寝台列車と言えばJR西日本のトワイライト・エクスプレス、JR東日本のカシオペア、JR東日本とJR北海道の北斗星があり、夜行バスに押されて夜行列車がほぼ全滅した今日においても高い人気を誇っている。

 このうち、北斗星とトワイライト・エクスプレスには乗車したことがあるが、実質的には乗ることが目的となっているトワイライト・エクスプレスはともかく北斗星は現在も本州と北海道の連絡列車として実用的な役割を担っている。北斗星は臨時列車ではなく定期運行されているということも予定を立てやすいという点でメリットが大きいだろう。トワイライト・エクスプレスは豪華列車だが、大阪から札幌までの移動を楽しむという側面が大きい。カシオペアも含めて、従来の豪華列車は移動手段の中にエンターテイメント的要素を組み込んだものであったと言える。

 ところが「ななつ星」は今までの豪華列車とは一線を画している。九州の観光地を「クルーズ」することが目的であって、観光地での乗り降りはもちろん、専用のバスまで用意されている。列車の運行ができなくてもバスで運行する、夜間は駅に滞泊するなど、「本当に寝台列車とする意味があるのか?」と突っ込みたくなる要素はあるが、列車の中で寝るということ自体が「非日常」なのだから、食事等のサービスも含めてそれらを楽しむ場と考えれば、付加価値もあるということか。

 「ななつ星」が話題を呼んだこともあって、JR西日本とJR東日本がそれぞれ同じようなクルーズ・トレインの運行を計画している。JR北海道もクルーズ・トレインを運行するメリットはあるだろうが、如何せんレールすらまともに保持できていない現状で豪華クルーズトレインなど打ち出したら企業イメージのアップどころか批難を浴びるのは必至だ。

 トワイライト・エクスプレスや北斗星は豪華列車とは言ってもチケットは取れないわけではなかったし、比較的安い個室や寝台も用意されている。北斗星は毎日一便ずつ運行されいるし、トワイライト・エクスプレスも繁忙期は毎日運行されている。運賃だけでく時間の都合も含めて、普通の人でも何とか手が届く豪華列車だ。しかし、「ななつ星」をはじめとする次世代の豪華寝台列車は運行が限定されているうえに、料金も従来とは比較にならないほど高い。なかなか、乗るのは難しい。

 何より、JR各社が新幹線の拡充に躍起になる中、在来線は次々と第三セクター化されている。第三セクター化では線路が分断されるだけでなく、線路の整備状況も概して悪化すると言われている。JR北海道のように全域に渡って線路が整備不良で脱線事故を続発させている恐ろしい所すらある。豪華列車を運行すれば間違いなく話題は集まる。しかし、「ななつ星」でも試運転では機関車の故障や客車が線路脇の物に衝突するなどのトラブルを起こしている。特に路線は「車両限界」というものを測定して「この大きさの車両ならば通れる」ということになっているのだが、それで設備と接触事故を起こしたというのは余りにもお粗末だ。安全が確保されていなければ、いくら接客サービスを向上させようが山海の珍味を盛ろうが、鉄道から国民は離れていくことになるのではないか。

 

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