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2013年1月20日 - 2013年1月26日

2013年1月25日 (金)

海外居留民を「棄民」にするな

 パレスチナが国連にオブザーバー参加するにあたり、イスラエルはもちろん反対したし、アメリカも議場の「パレスチナ国」の表記に不快感を示している。建国以来戦争ばかり続けてきたのがイスラエルという国なのだが、ユダヤ人はイスラエル建国まで二千年余に渡って自分の国というものを持たなかった。ディアスボラの中で、彼らは自分たちを庇護してくれる国を持たない悲哀というものを骨の髄まで味わった筈である。イスラエルが生存し続けているのは、まさにその恐怖心の裏返しと言っても過言ではない。

 イスラエルは自国を守るためには先制攻撃すら躊躇わない国で、イラク原子炉破壊作戦などは有名だが、この他にもハイジャックされた機の自国民救出のためにウガンダまで長躯特殊部隊を派遣して救出作戦まで行っている。ちなみに、このエンテベ空港奇襲作戦の指揮官として戦死したヨナタン・ネタニヤフ中佐はベニヤミン・ネタニヤフ首相の兄にあたる人物である。

 イスラエルは人口たった700万人という愛知県程度の人口しか持たない国だが、建国の経緯や人口の少なさなどもあって、自国民保護に対しての強硬姿勢は建国以来一貫している。

 今回のアルジェリアにおける人質事件において、日本人の犠牲者も多数出た。一方で、日本政府は最後まで「打つ手なし」の状態であった。イスラエルとはあまりにも対照的な態度である。これでは、海外居留民は自分たちが「棄民」にされていると感じても仕方がないのではないか。

2013年1月23日 (水)

オバマ大統領二期目就任式

 先のアメリカ大統領選挙で再選を果たしたオバマ大統領の二期目の就任式が行われた。深夜にもかかわらずテレビ中継に多くの日本国民までもが熱中した一期目の就任式の熱気は今は全く感じられないが、それでも大国アメリカを四年間牽引するのは引き続いてこの男となる。

 二期目の就任演説では、正直「ここまで言うとは・・・」という言葉が次々と飛び出した。格差是正や同性愛者の権利保障など、いずれもリベラル色が非常に強い。オバマ大統領の一期目は共和党主導の議会に足を引っ張られる形でなかなか上手くいかなかったが、二期目に臨む現在でも議会の状態はあまり変わっておらず、これは対決姿勢を鮮明に打ち出して強行突破を図るつもりではないかとも思えてくる。何しろ、共和党の姿勢は人によっても差があるものの、おおむね「政府介入を抑制」し「小さな政府」により「市場競争に委ね」「敗者自己責任」である。中産階級の復活を掲げるとうことは、それだけでも共和党の多数派を刺激せずには済むまい。中産階級復活のために政府が主導的に動くこと自体、共和党にとっては「無駄なこと」であり糾弾の対象になるだろう。

 また、アメリカで根強い勢力を持つキリスト教保守派、これは共和党の地盤でもあるのだが、同性愛者の権利保障はキリスト教保守派にとって看過し難い問題である。聖書にある「あなたは女と寝るように男と寝てはならない」という規定を重視し、同性愛者に対して権利保障するどころかむしろ差別的取扱いすら求めている。さすがに聖書通「同性愛者を死刑にする法律」の制定を求めているという話までは聞いたことがないが、オバマ大統領の発言が「神を冒涜している」と取られる可能性は高い。

 保守派との対決姿勢を鮮明に打ち出したことで、オバマ大統領としては世論に訴えて議会の流れを変えようという考え方があるのではないか。としても、アメリカは日本と同じく都市部はリベラルで田舎は保守的であるが、その差は日本とは比較にならないほど大きいものだ。未だに「天地創造」が信じられ「進化論」が否定されている地域があり、中には地球が太陽の周りを回っていることや球体であることすら否定している人々すらいるのである。そうした思考パターンは日本の田舎の頑固おやじの比ではない。これに宗教的なバックボーンまで加わるのだから、地獄に行きたくなければ引くに引けなくなる。

 日本にとって注意しなければならないのは、オバマ大統領が大切に思っている「中間層」はあくまでアメリカ国民としてのそれであって、日本で崩壊の途上にある「中間層」は考慮の対象ではないということだ。必然的に、日本から譲歩を引き出すことには執着することになるだろう。限られたパイを奪い合う以上、アメリカで雇傭を増やすために日本で雇傭を減らすような手を使うことも自国中心と言う考えからは正当化される。思えば、あの「年次改革要望書」も民主党のクリントン政権の時代からはじまったものだ。これからのアメリカの「要求」に注視していく必要がある。

2013年1月21日 (月)

アルジェリア人質事件

 アルジェリアでイスラム過激派による人質事件が発生し、アルジェリア政府は実力での解決に動いた。その間、日本政府は「平和的解決」を唱えるだけで、実質的に何もすることができなかった。この間の日本政府の動きを見ていて、かつてのペルー日本大使館人質事件を思い出した者も多かったのではないか。あの時も日本政府は「平和的解決」を求めるだけで、事件の最終解決は当時のアルベルト・フジモリ大統領が特殊部隊の投入を決め、実力によって成し遂げられた。

 自衛隊を派遣して実力で人質解放と言うのも選択肢にあってしかるべきであった。実際には、他国の領土内で自衛隊を行動させるというのは相手国の同意も必要であり、これは相手国にとっては一種の屈辱だから簡単にはいくまい。それでも、「選択肢としてある」ということは「打つ手なし」よりは大きな違いがある。

 現行法では、日本人を自衛隊の航空機や船舶で日本まで連れて帰ることはできるが、人質を実力で開放することまでは想定していない。法改正の議論が起きるのは当然の事であろう。

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