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2013年7月14日 - 2013年7月20日

2013年7月19日 (金)

海上保安庁長官に初の現場出身者

                   Ensign of the Japanese Coast Guard.svg

 海上保安庁長官に佐藤雄二海上保安監の昇格が決まった。あまり知られていないことだが、海上保安庁長官は法的には警察庁長官と同様に「階級制度の対象外」であるものの、冬服の袖に金線4本を巻き格式は国際的に「海軍大将」に相当するのだが、あくまで運輸省・国土交通省キャリアの就くポストであって純粋な海上保安官出身者が長官の椅子に就いたことは一度もなかった。今回、はじめて海上保安官出身者が長官の椅子に就くことになる。

 今回の人事は安倍総理主導のもとで行われたと報じられている。現場出身者でも長官になることができるという道を開いたのは、海上保安官という仕事に対する社会的な承認を更に確固たるものとすることができ、海上保安官の承認欲求を満たすという点を見ても士気向上に有効なのは間違いない。また、実務的にも門外漢の官僚に就かれるよりも、より現場の問題点を把握して指揮することができる点で大いに期待することができよう。

 そもそも、政治任用ポストとして海上保安庁長官を位置づけるならばならばともかくとして、職業公務員の就くポストであれば現場の事の分かる人を就けられるようにするのは当然のことで、今までそれが行われてこなかったことのほうが不自然と言える。賃金面でも海上保安庁長官は陸海空の幕僚長と同じ位置づけであり、「危険任務に就く」という点で均衡ある処遇と評価できよう。

 日本周辺海域の取締や海賊対策において、海上保安庁の重要性は増している。この点は中国も同じで、尖閣などでは海軍を前面に押し立てるよりもドメスティックなコーストガードを出した方が「穏便」にしつつも自国領との主張ができ、海賊対策についても軍事的緊張を回避できるということで活用の幅が広がっている。少し前まで海上保安庁と言えば漁業保護や「海猿」であり体を張った救難活動というイメージがあったが、今後は更に多様な任務に従事することになろう。

 もっとも、現場出身者というものは、ともすれば大局的な視点を失ったり、身内の不祥事をもみ消したりする傾向がある。また、「抜擢」されたタイプに多いのが、期待に応えようとするあまり部下に努力を命じかえって組織を疲弊させてしまうケースだ。初の現場出身者の長官と言うことでプレッシャーは少なくないだろうが、期待したい。

2013年7月17日 (水)

菅元総理が安倍総理を提訴

 菅元総理が安倍総理が2年前に配信したメールマガジンの記事に事実誤認があり名誉を傷つけられたとして記事の削除や謝罪を求めて訴訟を提起した。元総理が現総理を訴えるというのは極めて異例である。

 安倍総理は過去に菅元総理が韓国に逮捕されていた北朝鮮の工作員を「政治犯」として解放するよう求める署名に参加していたことを「間抜け」と評するなど、兎角の対立があったことは確かだ。しかし、片方が一般人ならばともかく、安倍総理は押しも押されもせぬ現職の内閣総理大臣であり、菅元総理もまた隠居老人ではなく現職の衆議院議員である。政治家同士のやり取りに多少の「言葉の行き過ぎ」があるのは普通の事だし、そうした行き過ぎも含めて国会内外の場、すなわち「言論の自由市場」で議論によって真相真意を究明するべきではないか。法廷闘争が馴染むものであるとは思われない。

 かつて、長久手町の加藤梅雄町長は正木祥豊町議(現長久手市議会議長)から「頭の中はカラッポ」と正木議員の広報で評されたことがある。しかし、加藤町長は法的な場で争うことは一切なく、あくまで政治家としてのやり取りに留めた。実際、司法の場で争ってみたところで、政治的政策的判断の妥当性の是非を裁くのは裁判所としても難しい。政治家同士の争いは、言論と行動によってなされるべきであろう。

 しかも、今回の提訴は安倍総理のメールマガジン発行から二年過ぎてなされている。これでは「今更」の感は免れないし、参院選に向けた政治的な思惑があるのではないかと疑われても仕方がない。菅元総理は「説明責任」という言葉を好んでいたが、当然この件についても説明責任を果たしてしかるべきであろう。

2013年7月15日 (月)

離島保全を進めるべき

 政府は領海の基点となる約400の離島について所有者や島の名前などを調べ、所有者不明ならば国有化する意向を固めた。竹島や尖閣諸島の二の舞三の舞を招かないためにも、離島の保全措置に乗り出すのは当然であろう。領海の基点となる島の他にも、他国勢力に占領・浸透されかねない島の保全措置も講ずる必要がある。気が付いてみたら外国資本が土地を買い占めていたなどということがあってはならない。

 ただし、中国のように領有権を主張する島々に櫓を建てて兵を常駐させるというのは我が国では難しい。常駐させることは国家として「保全の意志を示す」こととしては有効な方法であるにしろ、自衛隊や海上保安庁の職員数には限界があるし、離島に常駐するとなれば食料や飲料水からして外から補充しなければならない。かつて海上保安庁には灯台守のための「灯台補給船」というものがあったが悪天候で食料を補給できず、灯台守が餓死に近い状態になっていたこともあったそうだ。

 現実的なのは艦艇や航空機で広範に監視活動を行い、不審な点が見られれば上陸して調査を行うということを繰り返すことではないかと思われる。それでも、政府が離島を保全する意思を明確にすることは好ましいことだ。

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