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2013年3月10日 - 2013年3月16日

2013年3月15日 (金)

新ローマ教皇フランチェスコ1世

                 

 12日にバチカンではじまったコンクラーベは、5回目の投票でベルゴリオ枢機卿を新たな教皇フランチェスコ1世として選出した。本命不在と言われながら、極めて早い選出が行われたことに驚いた人は少なくなかったのではないか。

 イタリア系移民の子孫ではあるがアルゼンチンの出身者で初の中南米出身の教皇である。フランチェスコという名前自体はアッシジの聖フランチエスコにちなむ名前としてヨーロッパではそう珍しくもない名前ではあったが、この名前を名乗る教皇もはじめてである。もともとこの名前の由来は「フランス人」というものだが、今や知る人も少なかろう。

 面白いことに、フランチェスコ1世は従来の教皇とは若干異なる経歴を持っている。現在では教皇に選出されるためには枢機卿でなければならず、枢機卿になるためには司教であるのが原則なのだが、司教になるには神学・聖書学・教会法の博士号取得者又は教授資格という資格が定められている。簡単に言えば「博士号がなければ教皇になれない」ということだ。先のベネデイクトゥス16世は神学博士号を持つ教理の専門家であり、ヨハネ・パウロ2世に至っては神学と哲学の二つの博士号を持っていた。世界的に見れは聖職者は弁護士や医師と同じくプロフェッションとして専門教育を受けるが(この点、我が国の神主や僧侶とは資格を認められるための学識の点で天と地ほどの開きがある)フランチエスコ1世もそうした教育はセミナリヨで受けのは確かだが、手元にある経歴を見た限りでは博士号まで取ってはいないようだ。実際には取得しているのかもしれないが、博士号を持たないとすれば近年では珍しい教皇となる。

 バチカンは「格差社会」の問題が問題として取り上げられるはるか以前から社会問題に対する関心を持ち続けてきた。貧富の差や福祉について述べた教皇の回勅としては「ノールム・ノヴァールム」が最初だが、これが出されたのは1891年である。新教皇となるフランチェスコ1世も社会的弱者の救済に力を尽くしてきた人物であるそうだから、バチカンが行き過ぎた資本主義に対する警鐘を鳴らす役割をこれからも果たしていく可能性は高そうである。

 一方で、同性婚については否定的な見解を示してはいるものの、一方で同性愛そのものについては認めるような発言をした過去もあり、カトリック教会がどのようにして「新たな問題」に対応していくのかについても注目される。先のベネデイクトゥス16世もヨハネ・パウロ2世も教義的には保守的であったが、転換点となる可能性もある。

2013年3月13日 (水)

武器輸出の緩和は必要である

 我が国は武器輸出に関しては極めて厳重な規制がなされている。このため、国際的に見ても高品質な武器製造ができる一方、国際競争力となると初めから話にならないレベルと言うのが実情だ。はじめから参入していないのだから当然の話である。

 日本が武器輸出に消極的なのは何も「平和憲法」のためではない。憲法が「平和憲法」でなかった戦前でも、日本の武器輸出の実績は乏しかった。艦艇であればタイや中国に小型艦を輸出した程度、銃器もフィンランドやオーストラリアに少数が輸出されたに過ぎなかった。機密保持などの問題があったにせよ、日本の「特性」と考えた方がよいのではないかとすら思えるほどだ。

 この結果として、日本の武器市場は携帯電話と同じく「ガラパゴス」状態となった。国際市場で競争する必要がなかったため、国際的な基準から見れば奇妙な点の目立つものであったとしても、国は高く買ってくれる。日本の防衛予算が決して低くない原因の一つは、高コストの兵器調達にある。

 しかしながら、戦闘機などはもはやアメリカであっても一国で開発するのが難しくなってきた。かつての航空大国てあったイギリスも今やF35をアメリカと、ユーロファイターをEU諸国と共同開発する状態になっている。中国はロシアの技術を導入しつつも「自国開発」をやりたい放題だが、あれは中国が潤沢な予算をつぎ込めるからで、概して先進諸国はもう金がない。日本としても例外ではないと認めざるを得ない。

 こうなると、武器の共同開発に踏み込まざるを得なくなるが、必然的に武器輸出の問題がからんでくる。日本で製造した部品を輸出したり、組み立てたものを売ることができなければ、そもそも共同開発は成り立たないからだ。

 武器輸出に伴うマイナスイメージは大きいが、コスト削減と技術継承のためには「やむを得ない」ものと割り切るべきではないだろうか。なお、左翼の大好きな「福祉大国」というのは、実はおしなべて武器輸出大国である。ドイツはフリゲイトや潜水艦で大きなシェアを持っているし、航空大国フランスは西側戦闘機市場ではアメリカと並んでよく売れている。イタリアやオランダやスイスやスウェーデンも武器輸出大国だ。これらの国々では社会保障と安全保障が表裏一体の関係にあるように思われる。

 残念ながら、日本が最早「衰退期にある大国」であることを認めざるを得ない現状では、国際的な共同開発に加わることで技術と雇傭を維持しつつ兵器の水準を高めていくしかない。頑迷な武器輸出規制は緩和されてしかるべきではないだろうか。

 なお、日本が武器輸出云々という話を出すたびにヒステリックな反応を示しているのが中国と韓国だが、この二か国も国が主導して大々的な武器輸出を行っている。ただ、売り込む先としては先進国ではなく中進国や発展途上国が中心である。特にアフリカの貧困に喘ぎながらも紛争を続けている国には中国製の武器が広く売り込まれている(イメージ的には「死の商人」そのものである)。少なくとも、「周辺諸国」が日本を批判できる義理ではなかろう。

2013年3月11日 (月)

東日本大震災から二年

 今日は東日本大震災から二年の日である。亡くなられた方々に哀悼の意を表したい。

 東日本大震災は多くの国民の生活を変えただけでなく、日本国民そのもののメンタル面にも大きな影響を与えたように思われる。ただ、その影響がプラスか否かはまだ一概に言えないところがある。中産階級以下の思考や行動が内向きになっていけば社会の衰退は免れないし、地域や家庭に重きを置くことは排他性を進める一方で進歩性を失わせることにもなりかねない。死が身近になったことで刹那的な生き方に走るようになれば、国がどうなるかは歴史を読めば分かる。

 東北は復興や除染の特需があると言われる一方で、それ以外の業種についてはあまり明るい話題は聞かない。その特需の分野にも真偽はともかくとして暴力団まがいの連中が食い込んでいるという話もあれば中間搾取が公然と行われているという話もある。被災自治体の人材不足も深刻だが、公務員になりたい若者が多いと言われている中で人材不足とはその背後には何があるのか。労働・社会政策からの分析が必要とされていることは言うまでもない。被災地への企業進出が推進されているが、その就業の中身もじっくり吟味する必要がある。

 災害や戦争から立ち直り、それを教訓として更なる飛躍を遂げた国家や民族がある一方で衰退を加速させた例も多い。震災を糧にできるかどうかは、これからの施政にかかっていると言えよう。

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