« 社会政策学会 | トップページ | 民間人を危険に晒す「海賊対策警備員」構想 »

2013年5月27日 (月)

外国人医師の医療解禁は大丈夫か

 政府の国家戦略特区ワーキンググループは外国人医師の医療を解禁する特区創設をする案を公表した。外国人看護師の問題もそうだったが、本当に大丈夫かと疑いの目を向けざるるを得ない。

 医療は一見すると医療技術を売って金を稼ぐ商売である。そうした点では技術さえあればよく外国人医師でも技術のある人を呼んでこれば問題ないとの考えに行き付くのは理解できなくはない。しかし、一方で医療を行うプロセスでは患者との対話や説明も非常に重要である。こうした点で、外国人医師が対話や説明に不自由するであろうことは想像に難くないいし、医療過誤の原因にもなりかねない。加えて、医療とは生きることと同時に死を見つめる場でもある。大勢の日本人の死生観をどこまで理解し死生観に沿った対応ができるのかは文字通り未知数だ。

 巨大な医療法人が発展途上国から安く医師を集め、スケールメリットを利用した医療を行うことも考えられ、これは発展途上国にしてみれば国費を投じて育てた医師が国境を越えて出て行ってしまうことであり死活問題となる。日本の医師もより「金儲け」「競争」を意識しなければならなくなる。しかし、激烈な競争に投げ込むことが良い結果をもたらすという思想は最早幻想でしかない。

 「国家戦略」と銘打っているものの、国家戦略というよりは外国人医師の受け入れで得をする人たちのための改革と言う疑いを拭い去ることはできない。財界が移民受け入れを推進しているところから見て、これも外国人看護師受入れと並んで移民を既成事実化するための方策なのではないかと思われてならない。慎重な対応が必要であろう。

« 社会政策学会 | トップページ | 民間人を危険に晒す「海賊対策警備員」構想 »