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2013年3月 3日 (日)

シーシェパードは海賊である

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 日本の調査捕鯨船に対して過激な攻撃を加え続けている自称「環境保護団体」シーシェパードに対して、アメリカの連邦高等裁判所は連邦地方裁判所の判断を覆して「海賊」であるという認定を行った。シーシェパードの創設者であるポール・ワトソン容疑者を「常軌を逸した人物」と認定したことも含めて妥当な判断であると言える。

 シーシェパードの御乱行はよく知られているところだが、歴史的に見てこんな「海賊」は珍しい。海賊そのものは古代から延々と続く「職業」であり、近代には一旦廃れたかに見えたが、最近再びソマリア沖やマラッカ海峡に出没するようになっている。としても、古来から海賊になるのは「陸のまともな仕事では食えない」からであり、海へのロマンを求めて海賊になるというのは漫画や映画の世界ならばともかくとして、現実には「あり得ない」海賊の姿であった。「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ワンピース」の世界は、現実とかけ離れた海賊の姿である・・・筈だった。

 実際、ソマリア沖で捕まえてきた海賊は被害国や逮捕した国に管轄権があるということで、世界中で「海賊裁判」が行われ、ドイツでは実に500年ぶりということで注目されたが、そこで弁護側が主張しているのは「ソマリアでは食えないから海賊になるしかなかった」というもので、やむにやまれず海賊になっていく様子が伺える。

 ところが、「シーシェパード」は別に食えないから海賊行為をやっているという人たちの集まりではない。確かに、「環境テロ」をビジネスにしている連中の集まりではあるが、別段彼らがそれ以外の仕事の道がないというわけではない。彼らを海賊行為に駆り立てているのは、鯨類に対するロマンである。そうすると、海へのロマンを求めて海賊になったという稀有な事例であると言えないこともない。これはもう、数千年続く海賊の歴史に新たな一ページが加えられたと見なければならないだろう。

 今回は連邦高裁の判決なので、連邦最高裁に持ち込まれた場合どのような判決が出されるかも注目される。日本の最高裁は職業裁判官、検察官、弁護士、研究者、官僚の指定席がほぼ決まっていて、トコロテン方式に最高裁裁判官が就任しては定年退官していく感があり、最高裁判事の名前など一般国民は誰も知らない。しかし、アメリカの場合連邦最高裁判事は政治的にも重要なポストで、大統領が同性婚などの問題も含めて保守派を任命するかリベラル派を任命するかが常に注目されている。日本と違って終身だから、政権交代が起きても前政権の任命した判事が多数残っている場合、新政権の政策が「憲法違反」と判断されてしまうこともある。この「海賊裁判」も、まだどうなるか分からない。

 シーシェパードの海賊行為の被害国は「日本」であり、今回の「海賊裁判」も日本鯨類研究所が出訴したことにより争われた。残念ながら、欧米やオーストラリアなどの文化人を中心に、この「海賊」を支持し資金を提供している者が多いのも事実であり、日本としては今後は「海賊の資金源」を絶つことも含めて行動していかなければならないだろう。

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