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2013年2月19日 (火)

SLあおなみ号

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 名古屋のあおなみ線をSLが走った。「SLあおなみ号」という名称で、JR東海のリニア・鉄道館が開館した時に河村市長が提案したことが実現したものである。

 ただし、「定期運行」は現実的には難しいだろう。煤煙の問題もあるし、蒸気機関車は電気機関車と異なって片方に向けてしか運転台がなく、基本的には終着駅に「転車台」を設けて機関車の向きを変えなければならない。機関車そのものを反対側に付け替える線路も必要だ。

 今回は京都の梅小路蒸気機関車館で動態保存されているC56型機関車を借りてきて運転することができたが、機関車の動態保存は極めて難しい。実は、京都に梅小路蒸気機関車館を作る際には奈良か滋賀あたりを定期運行することが計画されていたそうだが、煤煙の問題と機関車そのものを常時稼動させておくことが難しいということから結果的に断念されている。

 動態保存されている蒸気機関車を一時的に借りるか、或いは名古屋市が静態保存されている機関車を復活させてイベント列車としてたまに走らせることは可能ではあろう。蒸気機関車そのものを新造するのは容易ではなく、最近二十年ぶりに小型機関車が新造されたことが鉄道ファンの間で話題になったほどである。ちなみに、今回あおなみ線を走ったのは国鉄の作った蒸気機関車としては小型の部類に入るが、最近新造された蒸気機関車よりははるかに大型である。莫大な費用をかけてまで自前の機関車を持つだけの価値があるかどうかは疑問なところがある。

 河村市長はあおなみ線に「小田急ロマンスカー」を走らせることも求めていたようだが、こちらは更に厳しかろう。蒸気機関車以上に電車は部品確保が難しく、古い電車の動態保存は蒸気機関車以上に容易なことではないからだ。仮に動態保存する・できるにしても、ロマンスカーよりは名鉄のパノラマカーの方が名古屋らしいのではないか(ロマンスカーの中で婚活イベントでもやってラブロマンスカーとでもしゃれこもうと考えていたのなら話は別だが)。

 名古屋近辺では、明治村で明治時代の蒸気機関車が営業されている路線を走ることは最早できないものの動態保存されている。これに加えてあおなみ線で蒸気機関車が定期運行されれば鉄道ファンとしては楽しい。が、それだけで観光客を呼べるというのはいささか安直な考えではないか。

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