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2012年12月23日 - 2012年12月29日

2012年12月29日 (土)

アメリカの銃規制に思う

 アメリカは銃社会である。さすがに、誰しもが銃を携帯しているわけではないが、世界一銃規制の厳しい日本から見ると、野放しだと思われても仕方がない。頻発する銃の乱射事件に対して、規制せよという動きが出てくるのは日本人の考えからすればもっともなところだろう。

 しかし、物事はそう簡単ではない。アメリカは銃によって建国され、銃によって国土を広げてきた国である。市民が武装することは伝統であり、いざというときに自ら銃を取ることは栄誉なことだとみなされている。革命権という考え方すらあるのだから、アメリカ市民にとって銃の所持は前国家的権利である人権の一部であり「天賦の権利」と言えるかもしれない。日本では戦争中でさえも、市民階級が自主的に銃を取るという動きは皆無であったから、このあたりは全く異なる。

 20年も前になるが、愛知からアメリカに留学した高校生が射殺された事件ではアメリカに対して銃規制を求める運動が日本でも盛り上がり、私も署名した記憶がある。しかしながら、アメリカと言う国をより知るようになって思うのは、銃の所持と使用の基準についてはアメリカ人にとって建国のスピリットと言うべきものを内包しており、単純に危険だからと言う理由で所持を禁止されることをアメリカ人は受け入れないであろうということである。

 また、現実問題としてアメリカは日本ほどではないにしろ「小さな政府」である。裁判制度は充実しているが、警察官等の職員は決して多くない。それも最近は「民間委託」の傾向にある。すなわち、このような状態では治安のいい地域はともかくとして、まともに警察からのサービスを受けられない地域・階層の人間は自主的に防衛せざるを得ない。

 全米ライフル協会が強力なロビー団体だとされるのも、単に銃器メーカーが金を出している云々の話だけではあるまい。保守派を中心とするアメリカ人の「精神」に訴えかける何かがあるからではないか。

2012年12月27日 (木)

第二次安倍内閣発足

 26日に第二次安倍内閣が発足した。新内閣の閣僚人事を見ると、麻生元総理が副総理兼財務相、谷垣前総裁を法相に据え、大きなサプライズもなく全般的には実務を重視した人事と言えそうだ。

 2009年の総選挙後に民主党へ政権交代した時には高揚したムードがあった一方、実質的に野党生活しか経験したことのない民主党にシャープな経済運営を行えると思っていた人は少なかったように思われるし、実際に民主党らしい経済政策はほとんど行うことのできないまま政権転落に至った感がある。一方、自民党政権はまさに経済政策において経験がある以上、民主党政権のような逃げ場はない。よりシビアな目に晒されることになる。

 としても、日本国内でもこれだけ利害対立のある中で経済政策を運営するのは容易なことではない。不況についても新自由主義型の経済政策を取ったからだという意見もあれば、逆に新自由主義型の経済政策を貫徹しなかったからだという意見もある。立場によっても差異は大きく、TPPをめぐって財界と農業界の双方に基盤を置く自民党としては苦しい選択を迫られそうだ。

 いずれにせよ、「大過なく」政権運営を行って来年夏の参院選に勝ってから・・・という悠長な時間は与えられまい。民主党政権は「決められない政治」と批判されたが、自民党が何も決めなければ参院選では再びどんでん返しになるだろう。が、決めれば決めたで特定の階層に有利になる一方特定の階層には不利になる政策を進めざるを得なくなるから、不利益を受ける層は政権に失望することになる。政治家は兎角に敵を作らずあちこちにいい顔をしたい傾向があり、それが選挙を有利に戦う手段ではある。しかし、新政権がそのような手を使えば、それだけで国内の混乱に拍車をかけることは必至となろう。

 新内閣が明確な方向性を速やかに示し、半年間まずその路線で歩む。その上で、参院選によって最初の半年間の評価を行うというのが最も順当ではあるまいか。少なくとも、選挙目当てにあちこちにいい顔をした挙句重大決定から逃げ回るようなことだけはやめてもらいたいものだ。

2012年12月25日 (火)

安倍政権で本当に日本は守れるのか

 首相就任が確実になっている自民党の安倍総裁の言が、投票日から一週間を経ずして早くもブレはじめていると感じているのは私だけだろうか。

 自衛隊を「国防軍」とする構想は早々に潰されたが、尖閣への公務員常駐や「竹島の日」を政府式典とする構想はいずれも「検討する」とボヤかす表現に変わった。靖国神社への参拝ははっきり「見合わせる」と表明している。これを「ブレる」とは言わないのだろうか。

 確かに、中国との関係改善は重要課題だし、韓国は日本とのパイプを持つ朴新大統領が就任する。「まず譲歩」することで、相手に誠意を見せようとする手法については理解できなくはない。

 しかし、この手法は過去に行って日本が大いに失敗してきたやり方ではなかったか。民主党政権は外交に関して失敗を重ねてきたが、自民党政権とて同じことではなかったか。そもそも、竹島を不法占拠されながら「何もしなかった」のは自民党政権であり、尖閣諸島周辺に中国の調査船が出没していることについて「何もしなかった」のは自民党政権であった。民主党の外交を「売国的」と言うのなら、過去の自民党政権についても同罪と言える。

 確かに、連立を組む公明党は親中・親朝鮮であるから公明党の意向は無視できまい。大胆な政策を進めるのはとりあえず来年夏の参議院議員選挙に勝利してからという擁護論も理解はできる。しかし、経済界を中心に中国韓国に対して「譲歩」を求める声は依然として強く、経済界の援助によって参院選に勝った後に毅然とした態度を取ることはできないと見た方が良い。むしろ中韓とも、安倍政権が事実上身動きできないものと見て要求をエスカレートさせるのがオチではないか。そうなれば、日本は更に不利な状況に追い込まれることになる。そうなれば、参院選は自民党にとって不利な状況下で戦うことになる。

 私は安倍総裁が総裁選に立候補し、更に新政権を発足させるに当たり、少なくとも過去の自民党政権の「過ち」を反省しているものだと思っていた。しかし、これでは過去の自民党政権の過ちを何ら反省していないのではないかと疑いたくなってくる。

2012年12月23日 (日)

天皇誕生日

                  2009年7月10日、リッチモンド・オリンピックオーバル訪問時の今上天皇

 天皇陛下が79歳の誕生日を迎えられた。益々のご長寿をお祈り申し上げたい。

 昨日はじまったと思った「平成」も、間もなく25年になる。新しい元号「平成」を使うことに当初は違和感があったもので、公文書などでは「昭和」を二重線で消して「平成」と書き加えていたことが懐かしい。

 この二十五年は日本にとっても天皇陛下にとっても決して平坦な時代ではなかった。日本は経済的に衰退期を迎え、長引く不況と政治の混乱が続いている。何しろ、今上天皇一人の「治世」で宰相は竹下・宇野・海部・宮沢・細川・羽田・村山・橋本・小渕・森・小泉・安倍・福田・麻生・鳩山・菅・野田と17人も代わっている(間もなくまた代わる)。しかし、政治経済の混乱の中で、何の実権も有さない立場でありながらむしろ「国家国民統合の象徴」たる陛下の存在感はむしろ重みを増しているように感じられるのは私だけではあるまい。

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