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2012年1月29日 - 2012年2月4日

2012年2月 3日 (金)

日中に密約はないのか

 日本が北京に建設していた新しい大使館に中国政府が使用許可を出さなかったため、日本政府が「口上書」を出すことで使用許可が出ると言う一幕があった。日本政府の出した口上書の中身は、中国政府が名古屋と新潟に開設しようとしている領事館建設に日本政府が協力すると言うものである。

 大使館の建物についてこのような話は聞いたことがないが、そもそも新潟と名古屋で中国領事館建設の話が進んでいないのは大規模な領事館建設に際して地元住民が不安を感じていることが原因であり、日本政府が領事館建設を差し止めているわけではない。日本政府が協力すると中国に約束したところで、中国政府がやっているような方法で地元住民を黙らせることができるわけもない。要求した中国政府も中国政府なら、一筆書いた日本政府も日本政府である。

 そもそも、大使館と領事館では機能や位置付けが異なる。領事館は在留自国民の保護を目的とした機関であるのに対して、大使館は相手国に乗り込んだ外交使節団の根拠地であり国家対国家の交渉において窓口となるものである。大使館は相手国における日本国の「顔」であり、国際法上も領事館に比べて大使館の方により大きな特権と尊厳が認められている。これは日本国に対する侮辱ではないのか。

 こんな口上書を出していると言う事になると、他にも日本に不利な「密約」でもあるのではないかと疑いたくなる。尖閣諸島における漁船衝突事件はまともに日本国民に情報が公開されず不可解な幕引きがされ、靖国問題では中国首脳から「首相と官房長官は靖国神社に参拝しないと言う約束がある」などと言われているのだ。知らないうちに中国政府に変な約束をしている疑いは捨てきれない。

 思えば、18世紀以降国家の尊厳と言うものをズタズタに踏みにじられて酷い目に遭ってきたのが中国と言う国である。ゆえに、彼らの立場や思考に立ってみれば、相手国に対して有利なポジションを取るにあたりこのようなことを持ちだしてくること自体は何の不思議もない。中国政府は国益のために当然なすべきことをしているだけである。情けないのは、あっさりと屈してしまう日本政府の姿勢ではないか。

 

 

2012年2月 1日 (水)

年金試算を「機密」にするな

 政府・民主党は税と社会保障の一体改革に際して、作成された公的年金の試算を当面公開しないことに決めた。一方で、既に内容については色々なところに真偽不明ながら流出している。

 そもそも、議論の前提となるべき資産を公表しないと言うのだから、これでは議論などできまい。無論、試算の内容が厳しいものとなっているであろうことは誰しも分かることだ。それを隠しているわけだから、年金制度を破綻させるつもりなのではないかなど、邪推するなと言う方が無理と言うものであろう。

 どうも民主党は政権に就いてから、何でもかんでも機密にして公表を避けている。前言をお忘れになったようだ。としても、実際に機密が内部告発等で暴露されてみると、大したことのないものであったり、公表されるべきものであるものが珍しくない。こうなると、政府・民主党の態度は片っ端から「機密」に指定しておいて、機密を沢山抱えていることを周囲に自慢し、機密保持を大義名分に弱い立場の者に圧力をかけている小役人と変わらない。その厚生労働省や旧社会保険庁・日本年金機構職員の小役人ぶりを批判してきたのが野党時代の民主党なのだから呆れる。このような政権を国民が望んだとは思えない。

 年金制度に対する不満が年々高まっている今、不安を与える情報を必要なのは隠すことではないはすだ。隠し通すこともできまいから、露見した時のショックは比べようもないものになろう。

2012年1月31日 (火)

シリア内戦

                      シリアの国旗

 チュニジア、エジプト、リビアと続いてきた「アラブの春」は、中東の独裁国家リビアにも及んでいる。アサド親子による独裁政権が続いてきたが、国民の不満は大きいようだ。首都であり古都ダマスカス周辺でも政府軍と反政府軍の戦闘が続いており、最早内戦状態であると言える。

 もっとも、国民の不満が独裁政権に対して爆発し政府転覆に至ったとしても、更なる混乱に発展し一種の「無政府状態」という最悪の事態に陥る可能性もある。既にイラクでは中央政府の統制が及ばない地域が多々あり、リビアでもカダフィ派の都市が政府の関係者を追い出して自治を宣言した。もともと中東は国家意識よりも部族意識が強いところであるから、中央政府の統制がなくなれば、部族社会が顔を出してくる。仮に中央政府を転覆させたとしても、スムーズな政権移行がなされなければ、混乱は更に拡大することになる。

 反政府勢力が中央政府を転覆させた後に見られる現象としては、旧政府の追放・粛清することだ。恨み重なる上で革命が起きるのだからある意味仕方がないことと言えないこともないが、反政府勢力にテクノクラートが多いことはあまりない。大抵は、素人に近い人々が中央政府の要職に就くことになる。旧政権の人材を生かせないと、大抵は報復の連鎖と混乱が続き、事態を更に悪化させることになるという顛末を辿ることが多い。

 完全な政権崩壊を起こせば、その後の混乱は必至だ。だからこそ、ある程度のところで「妥協」が必要であろう。国際社会も、双方に妥協を促す努力をする必要がある。何もせずに旧政権が崩壊した場合、当事国のみならず周辺諸国に与える混乱は避け難い。

2012年1月29日 (日)

中国共産党の本音

                    Flag of the Chinese Communist Party.svg

 国と国の間には国家利益しかない。

 イデオロギーや政治制度が一緒だから仲間になれるなど空想にすぎないのだ。

 重要なのは、自ら改革し、国を豊かで強くすることだ。

                       周天勇中国共産党中央党校国際戦略研究所副所長

 中国共産党中央党校と言うのは、中国共産党の高級幹部養成機関である。この高級幹部養成機関の要職にある人物の発言だが、党の公式見解ではないにせよ将来の中国共産党を担う高級幹部の思想思考に大きな影響を与える立場の人物の発言と言う点で注目される。

 イデオロギーや友情ではなく利益至上主義というのは、残念ながら国際社会の現実である。したがって、私はこの中国共産党幹部の意見に全く賛成だ。中国と言えば「中日友好万歳!」と「乾杯!」で長らく日本に対しては友情を協調して譲歩を引き出してきたが、本音は別のところにあったことは疑いようがない。もっとも、中国共産党の本音の方が国際社会では常識なのであって、本音薄々感じつつも中国に対してまともな対応が取れなかった日本の歴代政権の方が情けないと言うべきであろう。

 幸いにも中国共産党幹部が「本音」を暴露してくれた。今後、中国とは本音でぶつかる必要がある。しかし、中国を恐れる必要は何もない。イデオロギーや友情と異なって、感情論ではない利益と言うものは現実的な妥協が可能である。同時に、我が国も経済的軍事的社会的に強さを取り戻すことこそ、国際社会で発言力を維持して行くことのできる道であろう。

 18世紀以降、中国は絶え間ない欧米列強と日本の侵略に晒され、塗炭の苦しみを味わってきた。ゆえに、彼らの言い分には悲惨な状況から抜け出してきた重みがあると感じているのは私だけではないのではないだろうか。

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