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2012年9月16日 - 2012年9月22日

2012年9月21日 (金)

中国の対抗措置

 尖閣諸島をめぐる日中間の対立は長引く様相を呈し始めた。中国では日本企業に対する税務調査が入り、通関時の検査も厳しくされている。中国政府の意図は明らかだ。一種の「合法闘争」を行うことで日本企業に圧力をかけ、財界経由で日本政府を黙らせようということである。この手は、今まで実に効果的であった。グローバル企業を志向し国家意識が低くなればなるほど、日本は創業の地程度の重さしか持たなくなるから、そこが不利益を受けようと企業側としては左程痛みは感じずに済む。日本発祥の大企業が次々と外国人幹部や外国人従業員の大量採用に踏み切っている現状を見ていると、ますます財界側としては日本国そのものに執着する必要は乏しくなる。

 野田総理が再選されたが、野田総理の推進するTPPにしても財界のご機嫌取りのための政策と言うしかない。一部の輸出系大企業を除く国民の生命・財産を危険に晒すことになる恐れが濃厚であるからだ。個人献金という伝統がほとんどなく、政治献金を企業団体献金に実質的には頼らざるを得ないのだから、「乳をくれる者が母親」という心境になるのも理解できなくはない。しかしながら、それで政治家になるとは情けない。

 発足時は「親中反米」と批判された民主党政権にしては、野田政権の尖閣や竹島に対する態度は一定程度政策が転換されたと見ることもできるが、何分自民党政権ですら屈し続けてきた「伝統」があるのだから、どこまで闘争の意志を継続できるのかについては未知数と言うしかない。しかし、ここで屈すれば更に国益を損なう結果になることだけは確かである。

 既にロシア政府は日本政府に対して北方領土への墓参を認めないと通知してきている。ロシア領であることを強固なものにしたいという意図が見え見えだ。日本政治が混乱している今、周辺諸国としては自国の立場をより強化しておきたいところだろう。これら周辺諸国の動きを見ていると、まるで19世紀にタイムスリップしたようだ。さすがにあの時代のようにただちに戦争に訴える自由はないが、弱肉強食そのものである。日本はいいカモにされていると言える。

 

2012年9月19日 (水)

弱者に冷酷な共和党

 共和党のロムニー大統領候補が「オバマの支持者は政府に依存する人たちだから、彼らの暮らしを気にかけることはしない」と発言した。元来、共和党は小さな政府を志向してきた人たちだから当然とも言えるが、この発言が支持者を集めた資金集めの場でされたことで、公の演説でやるにはいささか極論ではある。さすがに隠さなければならないという知恵は働いたものらしい。ただ、これが共和党市場主義派の「本音」ではあろう。

 アメリカは建国以来「小さな政府」を志向してきたが、それはもともと反英闘争の経緯から自由であることが第一とされ政府の介入は自由を束縛するものとして警戒されていたためである。これはヨーロッパ諸国にはあまり見られないアメリカの特徴と言ってよい。

 問題は、そうした「自由」であることが、いつの間にか「落とす自由」となり、自由な競争をしていたという建前のもとで弱者に対して冷酷になっているところにある。一連の小泉改革の結果を見てもわかるが、失敗した人が努力していなかったわけではない。また、努力してみたところで報われると言えないのが世の中というものである。それを自己責任の名の下で切り捨てることは、少なくとも「落とされる自由」しかない市民階級にとっては死活問題となる。

 共和党は社会保険制度や労働制度を破壊し、大企業と富裕層への富の集中を進めてきた。その結果、アメリカではまともな医療を受けられず、「代替医療」と称するまじないの類やサプリメントに頼る人々が生まれている。

 アメリカ大統領を選ぶのはアメリカ国民であるから、その結果はアメリカ国民に帰結する。外国人が口出しする話ではないし、それでアメリカ国民が苦しむことになっても自業自得に過ぎない。しかし、アメリカ政治の流れは日本政治と無縁ではない。過去から現在に至るまで、「改革派」を自称し反対派を「守旧派」扱いする勢力は、何とかの一つ覚えのように「アメリカでは」と言い続けてきた。小泉改革にしても、「アメリカでは」という言葉が使われ、あたかもアメリカで行われていることを移植すれば何とかなるという幻想が植えつけられた。アメリカ大統領選挙の結果によっては、こうした共和党の弱者に冷酷な姿勢が「アメリカでは」という枕詞の元で日本に移植されてしまう可能性がある。勝ち組にとっては、何処の国であろうと「うまい話」ではないか。

 いくらなんでも言い過ぎだとアメリカ国内でも批判の声が挙がってはいるらしいが、同時にこうした意見を支持する層も根強くある。これでもロムニー候補は共和党内では「穏健派」だそうだから、「強硬派」は更に恐ろしい思想を持っているということになる。日本国民としても他人事と考えるわけにはいかない。

 

2012年9月17日 (月)

西宮大使が死去

 丹羽大使の後任として中国大使に任命されていた西宮大使が出発を控えて倒れ、亡くなった。日中関係が緊迫しているこの重大事だから、後任を一刻も早く選任する必要がある。丹羽大使は既にレームダック状態であり、実質的な外交使節団長空席が続くことは由々しき事態だ。

 外務省内の序列等も含めていろいろな話があり、現役外務官僚ではなくOB起用という話もあるらしい。問題は、丹羽大使が外交官としての経験皆無である一方で中国ビジネスを手掛けてきた人だったこともあって、外交音痴をさらけ出す一方で中国の評判はそう悪くなかった(当たり前だが)。一方で、チャイナ・スクール出身者を任命するということになると、これまた阿南元大使のように問題を起こす可能性が否定できない。

 対中外交は誰がやっても難しいところだが、少なくとも日本の立場を代表して中国側に物が言える人でなければダメだ。

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