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2012年7月22日 - 2012年7月28日

2012年7月27日 (金)

秋休み

 民主党のPTが、小中学校生に対して夏休みと冬休みを短縮し秋に5連休を設けることを盛り込んだ休暇改革の中間報告を出した。この休暇に併せて企業側にも有給休暇付与を義務付けることなどが提案されている。確かに、夏休みは長い。いささかだらける傾向も見られる一方、普段の小中学生は勉強に部活と忙しい。その点では、夏休みを短縮し秋に一定のまとまった「秋休み」を作ることはそれなりに合理性があると言える。

 しかし、その一方で大人が子供にあわせて休みを取ることは簡単ではない。有給休暇の付与を義務付けたところで、希望者が全員休むのは簡単ではないし、そもそも余剰人員が少ない中で休暇を強制した場合、小中学生の子供を持たない労働者に負担が生じることは必至だ(有給申請しても後回しにされる可能性は多分にある)。また、有給付与日数が増えるわけではなかろうし、増えたところで取得は簡単ではない。特に、秋休みに有給を強制的に振り分けた場合、他のところで休もうとすると支障が出てこよう(例えば、疾病や負傷などで休みたい時に既に有給が使い尽くされていることも考えられる)。

 最大の懸念は、これに併せて使用者側がそもそも有給を発生させないような雇用のやり方を増やしてしまうことである。そうなった場合、休みが増えたところで所得は減ることになる。若年層は時給制の非正規雇用が増加して今や主流ともなっており、これは労働日が減ること=賃金の減少につながる。そして、賃金そのものがそもそも低い水準に抑えられているから、平素の貯蓄もままならない。民主党は先の総選挙前の予想に反して最低賃金の引き上げには不熱心だから、収入に対する不安は高まるばかりとなろう。

 新たな権利拡大云々より、先ずは使えない現在の権利をきちんと使えるようにすることが先決ではなかろうか。休暇改革は我が国の労働を取り巻く制度や慣習を十分に吟味して行う必要があり、そこに思いを致さないならば重大な失態を招くことであろう。

2012年7月25日 (水)

夏の約束

 野田総理の任期切れに伴う民主党代表選挙は9月24日に予定されているが、民主党内でこれを前倒しする動きが出ていると言う。先の民主党議員総会では出席議員から野田総理は民主党代表の任期切れを待って「勇退」せよとの声も挙がっていたから、代表選挙をめぐりひと悶着は避けられそうにない。自民党の総裁選挙も同じ時期に行われることが予定されているから、二大政党の総選挙を戦う顔が決まることになる。

 それにしても、自民党政権時代を通じて夏の政争がすっかり我が国の季節行事になってしまった感がある。衆参の選挙も含めて夏に選挙・政争を行い、歓呼をもって迎えられた新政権も秋の深まる頃に失望の声が朝野に満ちる。これが十年来パターン化している。いささかひと夏の恋に似たようなところがあるが、若者がひと夏の恋を愉しむのならともかく国の舵取りがこれでは国の衰退は免れまい。

 今や内閣の寿命は今や一年に満たない。例外的に小泉内閣は5年余の長期政権であったが、この政権もまた夏に耳触りのいい約束をしては秋には破ると言う有様であったから、政権延命ができたのは幸運が重なっていたからだと言う皮肉な見方ができないこともない。

 新しく掲げられた約束、それをマニフェストと呼ぶかアジェンダと呼ぶかフラッグと呼ぶかはとかもかく、国民が簡単に飛びつくのは我が国の経済的な閉塞感から考えて無理からぬところである。政争を行う政治家が勝つことを第一に考えて耳触りは良くても問題のある約束をすることは古今東西変わらないところだが、破綻するサイクルが短くなってきているように思われる。簡単に馬脚を現す約束をする政治家が悪いのか、あっさり飛びついては直ぐ飽きる国民が悪いのか、悩ましいところだ。

 いずれにせよ、夏の約束の後遺症は重大だ。2005年総選挙で掲げられた「小さな政府」は政府政権が代わっても「改革」として基本的には継承され、その結果公的サービスの質の低下はもとより受託企業の不正や公務ワーキングプアの問題を続発させている。

 沖縄の基地をめぐる諸問題についても、2009年総選挙で鳩山民主党が掲げた「最低でも県外移転」に端を発している。これは日米関係を悪化させたという生易しい問題ではなく、北東アジアの国際的な力関係のバランスを崩し、国際対立を激化させるに至っている。普天間基地の移設を潰して周辺住民を危険に晒し続けているのみならず、日本を危機的な状態に追い込んでしまったと言わざるを得ない。現在のオスプレイ部隊の展開に関する争いも、民主党がかかる夏の約束をしていなければ、このような事態にまではならなかったのではないか。

 今年は民主自民の二大政党に加えて、衆議院の総選挙に備えて大阪維新の会や国民の生活が第一などの新興勢力も夏の約束を乱発しそうな勢いだ。少なくともできることとできないことをじっくりと吟味する必要がありそうだ。

2012年7月23日 (月)

抗議するのは悪ではないが・・・

 大津市のいじめ自殺事件で教育委員会や学校の対応に非難が集中している。事件の起きた学校は抗議の電話が殺到して仕事にならず、とうとう関係者用に新しい電話を設置し、更に一週間ごとに変更することになってしまった。

 確かに、学校側の一連の対応は非難に値するが、さすがに無関係の者が抗議の電話で殺到してきては、学校側としても困るだろう。抗議することは悪ではないが、手法については考えなければならない。

 大体、「抗議」の電話を受けるのは、大抵の場合どんな組織でも特に権限のない下っ端であることが普通だ。今では学校の事務方も非正規、契約した派遣会社から派遣労働者が派遣されている時代だから、抗議して罵倒してみたところで、電話を受けている方は組織の正式な構成員ですらない可能性も高い。そして、「上の者を出せ」と言われた時に備えて、上の者を出さないようにする教育くらいは受けているだろう。少なくとも、「上の者が出る」ことになれば、非正規労働者にとってマイナス評価となるのは必至だ。

 関係者以外の国民が国民の声として学校側に抗議することは悪ではない。しかし、業務が滞る事態を招いたり、電話に出た何の権限もない下っ端(下っ端ですらない労働者も含めて)を罵倒したところで何の解決にもならない。

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