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2012年6月24日 - 2012年6月30日

2012年6月29日 (金)

税と社会保障の一体改革

 税と社会保障の一体改革案が衆議院を通過した。増税派反増税派どちらの言い分にも正義があると思うが、どちらもまた権力が目的のように見えてしまうのは私だけだろうか。マスコミにしても、もっぱら取り上げるのは「政争」であるし、議員や公務員を叩くことにはご執心でも、国や自治体や社会にいかなる制度を作るのかについて取りあげているところは全くと言っていいほどない。例えば、議院内閣制の国家では議会は単なる立法府ではなく人材をプールして行政府へ送り込む機能を持っており、ゆえに何れの国も議員定数は多いのだが、そうしたところにまで考えを及ぼした報道は見なかった。

 消費税増税にしても、多くの国民は必要だと感じている一方、その増税が景気を上向かせ福祉を向上させることを望んでいる。しかし、今回の増税では専ら財政再建の方に重きが置かれてしまい、増税後どのようにして国民に還元して行くのかは曖昧なままだ。これでは、増税によって経済の衰退と国家に対する信頼の喪失を招くことは避けられない。

 国会の動きは、まさに国民の葛藤と本能をそのまま反映していると言えはしないか。政治家ばかりを責めるわけにはいかない。

2012年6月27日 (水)

「菅直人を殴ります」事件

 近頃の日本は右翼があかん政治家を殺したりせえへんようになった。今の時代に殺す必要は無いのかもしれんけど、菅直人は正直殴ったらなあかんと思っている。SPの人には悪いけど私の前に来たら必ず殴ります。たとえ懲役に行くことになったとしても。覚悟しとけよ。ボンクラ政治家よ!

                                    玉置 賢司 (大阪市浪速区長就任予定者)

 公募によって大阪市の浪速区長に就任予定の玉置賢司氏が、ツイッターに菅直人前首相をぶん殴る云々と言う書き込みをしたことが問題となっている。この書き込みはさすがにご本人も問題があると思ったらしく早々に削除されたらしいが、内容といい文章といいまことにお粗末としか言いようがない。このような人物を区長にする浪速区民の末路が心配される。

 このヤクザかチンピラの脅し文句まがいの文章を書いた人物は経営コンサルタント会社のいやしくも社長なのだそうだ。会社やクライアントは大丈夫なのかと思ってしまう。もっとも、玉置次期区長を登用した橋下大阪市長は教育委員会の前に「くそ」を冠しているくらいだから、品位品格と言う点では玉置氏と大きな違いはない。類は友を呼んだと言えよう。

 確かに、菅前首相は首相として日本の歴史に禍根を残したのは確かである。そうした点では殴るどころか殺してやりたいと思っている者も被災地を中心に少なからずいるだろう。しかし、実際に殴ると言うようなことを公言するのは幾らなんでも度を越している。まして、「殴ってやりたい程恨んでいる」というような怒りの表現として用いるならばともかく、実際に殴る気満々に読める文章なのだから救いようがない。大阪は猥雑な雰囲気のある都市で、周辺の京都や神戸と全く異なる空気がある。それが大阪の「魅力」のひとつなのかも知れない。しかし、品格を失ってよいはずがない。

 もっと憂慮すべきは、玉置氏が自警団を使った治安回復を区長採用時に提案しているということである。自警団はアメリカの自治体などでも伝統があり、警察の手が回らない部分を市民が担う治安対策のひとつとして可能性はある。しかし、同時に自警団が暴力団まがいの組織になったり、暴力団そのものになることも多いのである。世界史を見ても事例に事欠かない。中東などでは地域そのものを支配して軍閥にまでなってしまったケースすらある。軍閥化はともかく、同じように市民が市民を守る趣旨で設置された消防団の不祥事が後を絶たない中、自警団に関しても「社会奉仕」をしているから多少のことは許されると言うような考えを持ってしまう虞はある。区が自警団を作らせて治安対策を行うのであれば、自警団院と雖も公権力の行使を行う者と同視せざるを得ない。しかし、現状では公法上設置され特別職の公務員たる消防団員が自らが公権力の行使に関わる立場であるという自覚に全く欠けているケースが多く、自治体側もそうした状態を放任するに任せている。問題意識すら抱いていないのではないかとさえ思われる。かかる自治体の現状で自警団など作らせれば、恐ろしい結果を招くだろう。

 もし、区が自警団を作らせるならば厳正な教育によって法と正義を叩きこむ必要があるが、法を超越して私的に菅前総理を罰してやろうということを言うような区長ではこれも望み薄と言うしかない。我が国にはもともとデュー・プロセスの概念は存在しておらず、近代刑法を導入した戦前はもとより現在の捜査機関にも十分に浸透しているとは言い難い。法の専門家たる検察官や警察官ですら怪しいところ、素人に理解させるのは容易なことではない。まして、自警団設置を言い出しているトップにデュー・プロセスの概念が全くないのだから、自警団そのものが危険な存在となることを危惧しない法律家は少なくないと思われる。

2012年6月25日 (月)

トルコ空軍機撃墜事件

                   

 シリア周辺の公海上空でトルコ空軍の戦闘機がシリアによって撃墜されると言う事件が起きた。シリアは事実上の内戦状態にあり、国境を接するトルコとしては、自国の安全のためにもシリアの混乱を収拾するか少なくとも混乱をシリア国内に留めておきたいところだろう。トルコとシリアの国境線は20世紀になってから引かれたものであり、住民は混在している。シリアに親族を持つトルコ人も多い。一方、何故シリアがトルコ空軍機を撃墜するに至ったのか、偶発的なものか狙ってのものなのか、今のところよく分からない。

 いずれにせよ、トルコとシリアの関係が緊迫したものにならさぜるを得ないことだけは確かである。トルコはクルド人問題では国境を越えてイラク領内を攻撃するほどで、自国の安全のためには過激な手段に走った過去がある。そして、それが可能なレベルの軍事力も持っている。今回の件で、トルコがシリアに対して懲罰的軍事行動に出る可能性を排除することはできないのではないか。

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