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2012年6月3日 - 2012年6月9日

2012年6月 9日 (土)

丹羽大使を召還せよ

 丹羽中国大使が東京都の尖閣諸島購入は日中両国の友好を損なうと言う趣旨の発言を行い、波紋が広がっている。藤村官房長官は不快感こそ示したものの、玄葉外相は処分などを行わない意向だ。

 率直に言って、余りにも異常である。丹羽大使は中国と取引のある商社の役員出身で、鳩山内閣の「政治主導」により大使に登用された。私は民間人から外交官への登用はあってしかるべきだと思うし、外交官以外にも民間人登用のルートは必要だと思う。しかし、アメリカを例に取れば、それは長期間継続しての雇用を意味するものではない。「回転ドア」と呼ばれるように、政策が変われば離任して次のポストに代わるものだ。失態があれば容赦はされない(コネがあるなど例外的なことはもちろんあるが)。

 丹羽大使は就任直後から日本国を代表する外交使節団長にあるまじき言動が多く見られた人物であった。尖閣諸島で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で中国政府に言われっぱなしであったことは記憶に新しい。そもそも、中国で幅広いビジネスをしている会社の役員であったから、出身母体可愛さに中国に対して厳しい態度は取れないだろうと言われたものだ。そして、それは不幸にも的中してしまったと言える。

 鳩山内閣そのものが異常な「親中政権」であって、日本の外交・安全保障を混乱に陥れた。その反省を民主党がするならば、鳩山内閣の退陣とともに丹羽大使も更迭されるべきであった。ところがその後の内閣でも職業外交官出身者宜しく中国大使に据え置かれてきた。そして今回の発言である。これでは、対中土下座外交をすることが民主党政権の一貫した方針であったと指弾せざるをえない。

 日本の立場を明確に中国政府に伝達して交渉せず、ひたすら中国政府の言い分を垂れ流し続けている丹羽大使は、太平洋戦争当時の大島駐独大使を想起させる。大島大使がドイツに都合のいい情報ばかりを日本に流し続け、日本が国策を誤る原因となった。このような大使は召還してしかるべきではないか。

2012年6月 7日 (木)

寛仁親王殿下薨去

 三笠宮崇仁親王の第一皇子で三笠宮家継承予定者であった寛仁親王殿下が薨去された。謹んで弔意を表したい。

 殿下は日本の皇族の中ではかなり変わったキャラクターの持ち主であったと思うが、それゆえに多くの国民から親しまれる存在であった。影響力が大きすぎるが故に口を閉ざさなければならない天皇陛下と異なり、皇位継承権を持ちながらも皇位継承から遠い所にいたということもあったのだろうが、著述や講演などを多くこなして率直なご意見を表明されることが多かった。

 殿下が障害者福祉に熱心に取り組まれ来たことはよく知られているが、ご自身もアルコール中毒、癌など多くの病を抱え、それでもなお必死に生きる道を模索し公務をこなされてきたことは、病む国民に勇気を与えた。特に癌を患ったのが1991年と言うから、相当程度の延命に成功している。

 殿下薨去によりこのような男性皇族の存在というものが実に貴重なものであったと言う事を、多くの国民が再認識することになったのではないか。

2012年6月 5日 (火)

64天安門事件から23年

 64天安門事件から23年が過ぎたが、中国共産党と中国政府は相変わらず事件の再評価や犠牲者の名誉回復は行わないという姿勢を崩していない。

 あの時代の中国は改革・解放に踏み出したばかりで、依然として貧しい国であった。民主化よりも経済成長を優先させたという「正当化」については、まったく理由なしとはしない。しかし、あれから23年が経って中国はあの時代とは比較にならないほど豊かになった。経済成長を拠り所として軍事力の強化も進み、中国の国際的地位と発言力は比較にならないほど高まっている。にもかかわらず、中国政府の態度は23年前と変わっていないのだ。

 アメリカは太平洋に軍事力の比重を移し、日本やフィリピンといった伝統的な同盟国のみならずかつての仇敵ベトナムとも提携を進めている。中国の軍事的脅威に対抗する手段であることは明らかだ。かつてのソ連が占めていた地位に、今中国が座っている。民主化が進まないと言う事、進める気もさらさらないと言う事は、国のかじ取りが少数の共産党指導部に握られていると言う事で、自由主義諸国としては動向が掴み難いから気が気ではない。警戒するのは当然と言える。

 もっとも、中国としても「民主」という思考を全くシャットアウトすることは既に不可能になっている。皮肉な話だが、台湾に有形無形の圧力をかけて両岸交流を進めた結果、多くの中国人が台湾の自由な社会と選挙をより身近に感じるようになってしまった。台湾では誰もが自由に意見を述べることができ、意見を述べた後の身の安全も保障されている。総統も直接選挙で選ぶことができる。馬総統に大陸反攻を求めるネット上の意見はお笑いとしても、中国政府が散々「台湾を解放する!」「同じ中国人国家である台湾とは同じ国にならなければならない」と言い続けてきたところ、実際に解放されなければならないのはどちらか、同じ中国人であるならば何故大陸では自由も民主も許されないのか、中国人としても疑問にむ感ずるところは大きいのではないか。

 中国が相変わらず「歪な大国」であることを正当化し続ける限り、国そのものも信用されないだろうし、周辺諸国との対立は深刻化することは目に見えている。独裁国家は往々にして国内の不満を外に向けるものだろからである。ここ二十年ばかり大陸との交流を推進してきた台湾にしても、彼らの自由を奪われることになれば話は別であろう。相変わらずの中国政府の態度に失望を感じない人は少ないのではないか。

2012年6月 3日 (日)

ハローワーク横浜職員機密漏洩事件

 ハローワーク横浜の職員が、情報関連業者から金銭を受け取り雇用保険の被保険者の個人情報を漏洩していたことが発覚した。この事件の詳細は不明であるが、気がかりなことがある。

 職員が「生活のため」に犯罪に手を染めたと供述している点である。この職員は非正規職員だったということだが、非正規職員の賃金は実は公務員と雖も一般労働者の最低賃金より少しマシという程度でしかない。公務員の情報漏えい事件は、従前女性(男性)に使ったり、遊興で借財を重ねていたり、外国の工作員に弱みを握られたりというものが多かったが、今回は生活に困って犯罪に手を染めたと言う可能性を捨てきれない。

 非正規という身分であろうが公務員は公務員で、情報漏洩に関しては正規の公務員と全く同じ義務を負っている。ということは、非正規であることを理由として罰則が軽くなることはないということだ。非正規身分の公務員だけでなく、官公庁の仕事を受託している民間企業の労働者も同様であり、待遇は低くても高い義務を求められているのである。これが適切か否かはともかくとして、最低賃金程度の賃金では、生活苦による情報漏えいというのは想定できる範囲内の事である。

 そして、正規の公務員が減らされで非正規公務員或いは民間委託が進むと言う事は、こうしたリスクが拡散して行くと言う事だ。法的な義務はともかくとして、非正規労働者に正規労働者並みの義務感・使命感・組織(使用者であるところの国家)への忠誠と帰属意識を期待するのは現実問題として難しいからである。

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