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2012年5月6日 - 2012年5月12日

2012年5月11日 (金)

終身雇用を希望する新入社員

 日本生産性本部が行った新入社員に対する調査で、一生勤めたいと回答した者が6割に達し過去最高となった。一方で独立・起業を希望する者は1割程度に留まり、こちらは過去最低の数字である。有利と言われる新卒市場すら冷え込み、厳しい就職活動を乗り越えて何とか採用されたわけだから、新入社員がそのように考えるようになるのは当然と言える。

 加えて、彼らはこの十数年間の先輩たちがどうなったかについても冷静に見ている。「終身雇用の時代は終わった」「これからは起業」「資格を取って独立」というような言葉を真に受けて「チャレンジ」した者たちがことごとく屍を晒す結果となったのだ。そして、挑戦者たちは社会から敗残者扱いされるだけで、決して名誉な取り扱いはされない。世間と言うものは実に冷たいものなのだ。金銭的な面のマイナスだけでなく「馬鹿な事をした」「遊んでいた」などという扱いをされるのがオチである。これでは、組織を離れて挑戦しようなどとまともな者は考えなくなるのがむしろ自然と言うものである。

 一昔前は「外部労働市場」「自分で能力開発」ということがよく言われていた。しかし、外部労働市場が成長したのは非正規労働者の「口入」分野であって、「この道一筋」が尊ばれる日本企業特に大手企業において、外部労働市場から正規労働者として入る道は非常に限定されたものであるし、少なくとも出世コースではない。

 加えて、比較的にしても大企業の正規雇用労働者や正規職の公務員が身分上も収入上も安定した職であることは変わらないし、能力開発などの点から見ても非常に恵まれている。こうした現状では、終身雇用を望む一方で起業しようと言う気など起きなくなるのが当然だ。日本生産性本部の行った調査結果は、不思議でもなんでもない。

2012年5月 9日 (水)

フランス次期大統領にオランド元社会党第一書記

                    Meeting François Hollande 22 September 2011 N2.jpg

 7日に投票が行われたフランス大統領選挙決選投票で、ニコラ・サルコジ大統領を破りフランソワ・オランド元社会党第一書記が当選を果たした。得票率は51パーセントと僅差であったが、フランソワ・ミッテラン大統領以来久々の社会党出身の大統領となる。

 現職のサルコジ大統領はフランス保守勢力伝統のド・ゴール主義とも左派勢力伝統の社会民主主義とも異なり、新自由主義政策の旗手であった。新自由主義を標榜する勢力が社会福祉を削減し経済的弱者に牙を剥くことは古今東西共通しており、サルコジ政権に嫌気がさした国民がオランド候補に流れたと言える。ただし、得票率では近接しており、フランスでも新自由主義政策での経済発展に期待する国民は決して少なくはないようだ。

 同時に、「福祉=放漫財政」という見方は根強いものがあり(実際、削減が進んだとは言えフランスの福祉政策は日本やアメリカに比べて極めて手厚い)、福祉優先の姿勢を示すフランス大統領の誕生が欧州への不安を再燃させる可能性もある。先進国における「福祉」はともすればばら撒きに陥りやすく、一度付与したら削減するのは至難の業である。30代から退職を事由とする年金を受けられるイタリアで支給開始年齢を引き上げるのに何年もかかり、給食費無償化に反対したソウル市長が落選するなど、政治家にとっては鬼門だ。「福祉」に乗っかって在任中ばら撒きをやった方が、人気商売である政治家をやっていく上では有効な手であろう。ただ、同時に放漫なことをやれば歴史の法廷で断罪されることになる。どのようにバランスを取っていくのか、新大統領の手腕に注目したい。

 同時に、EUの大国であるドイツはサルコジ大統領に近いメルケル首相が政権を握っており、EUの方向性を決める上ではメルケル首相との話し合いも重要になってくる。二人が反目することは独仏の反目につながり、そうなれば欧州は大混乱だ。就任式典後ただちにメルケル首相との会談が予定されているのはそのあたりの危機感があるからであろう。

 ちなみに、オランド次期大統領もサルコジ大統領も離婚経験者である。サルコジ大統領はW不倫の上略奪婚の経験者であり、略奪して結婚した前夫人はその後別の男性と駆け落ちまでしている。オランド次期大統領は先の事実婚の相手が2007年の社会党大統領候補であったセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相であったが、「運命の女」という暴露本が出され、仮面夫婦ぶりやオランド次期大統領の不倫が暴露された過去がある。我が国の鳩山元総理は不倫の末の略奪婚だが、鳩山元総理自身は独身であったから、実に可愛いものだ。アメリカでは離婚経験者と言うだけで大統領選挙では非常に不利になり、歴代大統領の中で離婚経験があるのはロナルド・レーガン大統領だけである。フランス人も家庭は大事にするが、結婚に関しての考え方はアメリカとはまた異なるようだ。

2012年5月 7日 (月)

原発全基停止

                ファイル:Radioactive.svg

 北海道泊原子力発電所で最後まで動いていた原子炉が定期点検のため停止し、これで日本国内では原子炉は全て停止となった。政府与党は原子力発電の早期再開を模索しているが、国内の原子力アレルギーは日増しに高まり、原発再稼働は極めて難しい情勢になっている。

 としても、現状で原発なしに電力需要を賄うのは簡単ではない。「脱原発」を方針として行うにしても、あまりにも性急過ぎる。昨年輪番停電を行った際には首都圏は大混乱となり、生産現場もまた混乱した。企業の日本脱出を加速させたことは間違いない。また、エアコンを「節電に協力する」という大義名分の元で停止された結果、職場が灼熱地獄となり職場で調子を崩す者も続出した。工場のみならずオフィスでも熱を発する機器は多い。言うまでもなく、節電に協力するからと言って体調を崩すような職場環境を放置或いは自らの手で作り出すような場合、安全衛生法に違反する可能性は高くなるし、体調を崩した場合は労災申請を行う余地が出てくる。安全配慮義務違反として民事損害賠償請求を起こされるリスクも抱えることになる。

 昨年の夏には、節電を大義名分として職場のエアコンを切り、電気代が浮いたと喜んでいる経営者もいたし、「従業員より機械の方が大事」という本音が従業員に広く露見して労使の信頼関係が失われたと言う例もあった。上役の視察の時にはきちんとエアコンを入れておいて、視察から帰った途端にエアコンを切るケースまであったのだから呆れる。暑熱の中での業務で体調を崩せば「自己責任」として賃金カットの対象になったり、或いは効率が悪くなることも「自己責任」と言い放たれれば、労働者側としてはいくら「節電」を掲げたとしても、労働者側に対して不満を持つなと言う方が無理と言うものである。

 原発全廃が大きな流れとなっているが、その一方で大きな不利益が生じることをどれだけ国民が理解しているのだろうか。酷暑の中で生産性が低下したとして時給を下げられてもかまわないと言い切れる国民は多くはあるまい。

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