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2012年4月17日 (火)

日本が先進国から転落する日

 経団連の研究機関である21世紀政策研究所が、日本は少子高齢化の進行で2030年代以降は先進国から転落しかねないという予測を発表した。効果的な成長戦略を立てなければ日本が先進国から転落する可能性は極めて高いと言うのは、全く同感だ。

 しかしながら、日本をこのような惨状に陥らせた責任の一端は目先の利益に走り、中産階級と若者のチャンスを奪い、むしろ搾取し続ける政策を推進してきた経団連にある。経団連の言うところの「効果的な成長戦略」とは、外国人労働者と移民の受け入れを解禁し、中産下級以下の階層を更に没落させて発展途上国並みの報酬で働く低賃金労働者とし、大企業に富と権力を集中させて日本を離れた多国籍企業化させて国際社会で戦わせ、そのおこぼれで日本を豊かにすると言うものである。言うまでもなく、このモデルの場が日本である必要は全くないし、「おこぼれ」が日本に落ちる保障もない。

 かつて、「メイド・イン・ジャパン」というのは欧米の製品をコピーした粗悪品の代名詞であって、今で言うところの「チャイニーズ・コピー」と同じように見られていたものである。「メイド・イン・ジャパン」が高性能・高品質の製品を指すようになったのは、日本の高度成長期以降の話に過ぎない。このまま行けば、日本は戦前に戻ることになる。

 既に、その萌芽は日本を代表する大企業で見られる。戦後の「日本型経営」のもとでは、身分の安定した現場の労働者が現場で問題を見つけ、それを改善するために頭を使ったものだ。しかし、今や何処に行っても職場には非正規労働者が溢れており、問題を見つけてたところで改善提案してもポイントにはならず、むしろ余計なことをやったと見なされる。非正規労働者が生き残りたければ、労働の質を高めることなく、ひたすら数字をこなすしかない。これでは、現場レベルで改善提案などできるわけもない。結果的に、欠陥があってもそのまま流れていく。昨今多発する日本製品の相次ぐリコール騒ぎの背景には、労働現場がかつてのような質を保てなくなっていることにある。そして、その劣化原因は、中枢労働者を除く労働者を非正規化することを提唱し実践した経団連にこそある。

 多くの国民もまた目先の「劇場」に惑わされるばかりで、「サーカス」を愉しむばかりだ。それが国民の選択であれば、その責任もまた国民が負う事になる。日本が先進国から転落するのは、現状では不思議でもなんでもない。恐ろしいのは、日本を転落させてきた人々がその路線を更に進めるにもかかわらず「日本を復活させる」と喧伝し、国民がそれに期待してしまう事だ。

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