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2012年4月 3日 (火)

自民党の生活保護削減案

 自民党が生活保護を10パーセント削減することを次期総選挙の公約に盛り込む意向であることが明らかになった。民主党政権がばら撒きをしたことが生活保護激増の原因であるとして、「自助」を促すことを大義名分としている。

 まことに、自民党は過去の反省が全くないようだ。そもそも、生活保護受給者が激増したのは民主党政権になってからではなく、自民党政権の黄金時代であった小泉時代である。加えて、非正規労働者を増やし、中小企業への配分を減らし、中間層以下から吸い上げる政策を実施したのもワーキング・プアと呼ばれる下層階級を増やしたのもまさしく自民党であった。黄金時代の自民党は「新自由主義」を掲げ「自己責任」を喧伝し、「努力不足」の名の元に弱者を切り捨てていた。その前歴を全く反省していないようだ。悪い冗談にしか聞こえない。

 雇用状況・労働条件の改善を行わなければ、技術習得などさせたところで何の役に立つのか。過去も現在も、生活保護受給者に職業訓練は行われているが、ミスマッチも相俟って改善の役にはほとんど立っていない。失業者全般の教育訓練も似たような状況で閑古鳥が鳴いている。

 「働ける世代」だからと言っても、ミスマッチはいかんともし難い。原発で人員不足だからと言って、未経験者を強制的に割り当てて働かせるような社会主義国のような真似ができるわけもない。少なくとも、現状の生活保護以下のレベルにしかならない最低賃金制度は改められるべきだ。飢え死にしないレベルであれば足ると言う発想は、人たるに値する生活を保障すべきとした最低賃金制度の理念とは明らかに乖離している。

 かつて、ワーキングプアが問題になった時、政権与党の椅子にあった自民党は「飢え死にせず生きていられるだけまし」「発展途上国に比べれば豊かな生活」だと言い放っていた。最後の砦である生活保護制度を機能不全に陥らせれば、貧困層は犯罪に手を染めて生きるような道を選択する者が増えるであろうし、国に対する信頼は更に失墜する。生活保護費を減らしたところで、新自由主義と言う過去の自民党の政策の延長では改善は絶望的だ。それを自覚していない自民党首脳にも、最早呆れるほかない。

 無論、不正受給は厳格に取り締まられるべきだが、生活保護受給者を締め上げるだけでは解決策になるまい。過ちは、繰り返される。

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