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2011年8月28日 - 2011年9月3日

2011年9月 3日 (土)

トルコ共和国が駐箚トルコ共和国イスラエル国大使を追放

 トルコ共和国が、自国に駐箚しているイスラエル国大使を追放しました。イスラエルとの軍事協力も停止すると発表しています。

 特命全権大使も含めた「外交使節団」のメンバーは、接受国の意向により簡単に国外追放の処分ができます。これは「ペルソナ・ノン・グラータ」と呼ばれ、接受国は理由を示す必要もなければ、追放する理由がなくてもいいことなっています。外国人を入国させるかどうかは、国家に与えられた基本的な権利の一つであり専権事項であって、他国が口を挟むことはできないという考え方が基本にあって、これがない国は独立国と言えるかどうか怪しいと言われます。

 この対立の発端はトルコによるパレスチナへの支援船をイスラエルが攻撃してしまった事件なのですが、このことについて双方の主張は噛み合っていません。トルコは人道支援であったと主張していますが、イスラエルにとっては、パレスチナは憎むべき敵と言う事になっているからです。特に、パレスチナのテロリストによって市民の日常生活までが脅かされていますから、イスラエルは極めて神経質になっています。

 トルコはヨーロッパとアジアの境界に位置する地理的な要因に加えて、長年アメリカとの友好関係を持ち、窓口としての役割を果たしてきました。最近では欧米諸国とイラクとの間に立ち、国際社会における存在感を増していたところでした。それだけに、今回のイスラエル大使追放は、それがトルコ政府の専権事項であるにしても、あまりいい傾向でないことは確かです。

 ヨーロッパ諸国が警戒しているのは、ヨーロッパの一部に領土を持つトルコが「反ヨーロッパ」「親イスラーム原理主義」の国になってしまった場合、自国への脅威になるのではないかということです。特に、トルコではイスラム系政党の公正発展党が政権を握り、世俗派の共和人民党は第二党ではありますが国会の議席数では大きく引き離されています。最近では公正発展党もかつてのようなイスラム色は控える傾向にありますが、ヨーロッパ諸国の猜疑心が簡単に消えるわけもありません。

 一番怖いのは、トルコとイスラエルの間で公式な交渉ルートがなくなってしまうことです。何しろ、イスラム教徒が多数派を占める国の中でイスラエルと国交を持つ国そのものが少なく、更にまともに話し合いのできる国となればトルコくらいしかないからです。もし、正式な交渉ルートが失われることに慣れば、トルコとイスラエルの二箇国間のみならず、欧米諸国と中東を巻き込んで更なる対立を引き起こす事になる。

 今回のトルコ政府の措置はあくまでも大使の追放であり、他の外交使節団を軒並み退去させると言う事でもなければ国交断絶を通告したわけでもありません。よく「大使を召還」することが日韓関係でもありますが、これは「不満の表明」程度に過ぎないものであり、大使を召還したり追放したりしたからと言って、国際法上何らかの新たな権利義務が生じるものではありません。今回の大使追放にしても、あくまでもトルコ政府の「不満の表明」であり、イスラエルとの交渉断絶など考えてもいないというメッセージと観るべきです。そうした点ではまだ冷静さが残っていると言えるでしょう。

 トルコもイスラエルも、厳しい国際関係の中で生きて来た国です。両国とも、終着点を考えずに怒りを爆発させるような馬鹿なことはしないでしょう。こうした点は、我が国も大いに二箇国を見習う必要があります。

2011年9月 1日 (木)

朝鮮学校の無償化問題について

 菅総理(野田佳彦民主党代表は国会で首相に指名はされていますが、9月1日の現時点では親任式が行われていないため菅内閣が未だ存続しています)が、朝鮮学校の無償化についての手続きを再開するよう高木文部科学大臣に支持しました。昨年に発生した北朝鮮による砲撃事件で一時停止されていた無償化措置の手続きが再開されることになるわけです。

 朝鮮学校を無償化することに関しては、高校無償化そのものの是非とも関連して議論のあるところです。まして、北朝鮮は我が国にとって単なる外国のひとつという存在ではありません。我が国への脅威となっているところは論をまたないところです。

 内閣総理大臣交代と言う時期に、このような重大な決定をすることが、法的にはともかく道義的に問題があります。辞めていく総理が何をやっても、もう国会で追及されることもないわけで、意思決定をあとで検証することが難しい。新たな内閣の発足を待って、改めて話し合うべき問題ではないでしょうか。

 菅総理は北朝鮮の状況が変わったことをもって、無償化手続き再開の理由としています。しかし、本当に北朝鮮の「状況が変わった」と言えるのでしょうか。砲撃事件ひとつにしても、北朝鮮は未だに韓国から先に砲撃してきたという主張を変えておらず、もろちん謝罪など一切していません。開放政策に転換したと言うような事実もなく、着々と「三代将軍」への権力の世襲と先軍政治を進めています。後退したのはスローガンくらいで、「強勢大国」が「強勢国家」となり、大国になるのは諦めたようですが、その程度のことでしかない。これで「北朝鮮は変わった」と言うのは非常に難しい事です。

 ここで注目すべきは、菅総理が長年に渡り北朝鮮関係の団体に献金を続けて来たという事実です。それも5000万円以上というのですから、尋常な金額ではありません。何か弱みでも握られているのではないかと言われても仕方がない。その延長線上で、無償化を強行しようとしているのではないかと勘繰られるのもむしろ自然ではないかと思います。

 仮に無償化できるとしても、それは優先事項なのでしょうか。2009年の総選挙の時とは、我が国の国情は大きく変わってしまっています。被災地復興のために莫大な支出が必要な時に、高等学校無償化を行う事そのものも再検討すべきで、事情があまりにも変わっているのですから、それをもって「公約違反」と糾弾するのは酷であり、むしろ国民は納得するのではないでしょうか。

 何れにせよ、鳩山政権菅政権と民主党が朝鮮学校無償化「ありき」で行動してきたと見られているだけに、今回の菅総理の決定は総理大臣交代のどさくさに紛れて無償化を強行しようとしていると見られても仕方がない。そして、一度無償化してしまえば、あとは北朝鮮が何をやらかそうが、簡単に止めることはできなくなります。拙速な決定は禍根を残すでしょう。この問題は新内閣が国会ともよく協議して決めるべきことではないでしょうか。

2011年8月31日 (水)

野田佳彦次期総理

 民主党の新しい代表に選出された野田佳彦財務大臣が国会で内閣総理大臣に指名されました。立憲君主制である我が国では制度上内閣総理大臣は天皇陛下によって任命されなければならず、天皇による内閣総理大臣の任命と言う国事行為は内閣の助言と承認を必要とするため、現時点でも菅内閣は存続しており、菅内閣の助言と承認によって野田新総理が任命されると言う手続きになっています。この憲法上の手続きについては賛否両論あるのでしょうが、最高権力者が天皇によって任命されてきた我が国の古来からの伝統がありますので、私はその伝統を尊重すべきだと思います。

 もっとも、このような時期に紛争や災害が起きた時に早急な対処が難しくなると言う問題もあります。職務執行内閣となっている前内閣が重大な決定を行う事はできませんし、一方で閣僚が決まっていないまま新内閣を発足させてもこれまた重大な決定を行うのは難しいところでしょう(制度上は、内閣総理大臣一人で全閣僚を兼任し「一人内閣」とするのも可能で、羽田内閣の発足時はこのタイプでした)。このような場合、新総理がとりあえず前内閣の閣僚を新内閣の閣僚として任命してしまい、一段落した後に内閣改造によって自前の内閣を作る等の方法があってもよいと思います。

 もちろん、制度上そのような規定をつくることは難しく、前内閣と新内閣と政党の良識によるところになりますが。ちなみに、アメリカでも大統領交代時に前政権の閣僚が残ることは政権交代の場合であっても珍しくなく、クリントン政権のミネタ商務長官がブッシュ政権で運輸長官として入閣したケースや、ブッシュ政権のロバート・ゲーツ国防長官がオバマ政権でも再任されたのが記憶に新しいところです。

 これから新政権を担う閣僚・民主党役員が正式に決まっていくことになるでしょうが、どのような人材を選んで役職に就けるのか、注目していきたいと思います。総理と言えども全知全能ではありません(無知無能であることはまま見受けられますが)から、どのような分野を補完させるのか、補佐させるのかが重要になります。少なくとも「お友達内閣」はやめたほうがよいのではないでしょうか(もっとも、主義主張や哲学の合わない人に要職を任せて引っかき回されるのも問題ですが)。

2011年8月29日 (月)

吉田一平さんご当選おめでとうございます

 昨日執行されました長久手町長選挙において、吉田一平さんが町長に選出されました。心から、お祝いを申し上げます。吉田さんの父親は吉田一男町長ですので、親子二代で町長に選出されたことになります。有権者の付託に全力で応えられることをお祈り申し上げます。

 

 当選   吉田 一平  8607票

       大島 令子  5588票

       鎌田 進    2735票

 前評判から吉田さんの評価は高く、出馬の噂が流れるや直ちに最有力候補と目されていました。特に驚くこともない選挙結果であると言えるでしょう。

 候補者は3名ともに行政府での経験は皆無であり、吉田次期町長自身が公開討論会で「行政の事は何も分からないから、レクチャーを受けなければならない。そのレクチャーを公開にして町民の人たちに自由に聞いてもらいたい」と言っておられたくらいでした。また、政治キャリアに関しては吉田次期町長と鎌田さんがともに皆無であったのに対して、大島さんは町議会2期と衆議院議員1期の経験がありましたが、前回よりも票を減らす結果になったところから考えると、有権者は議員歴に関してはそれほど重きは置いていないようです。候補者の属性から思うに、この選挙結果は長年に渡る「社会活動」を有権者が最も重視したのではないかと考えられます(一般的に社会活動歴が豊富であることをもって政治家としての適性や政策の有効性があるのかについては議論があるところですが、長久手町の有権者は適性や有効性も存すると判断したことになります)。実際、吉田次期町長は消防団活動や福祉施設運営等多年にわたる地域への奉仕活動歴を実績として前面に打ち出しておられましたから、この点町民の志向にもマッチングしていたと言えます。政策を吟味するまでもなく、多くの有権者が消防団やたいようの杜や幼稚園での活動を理由として立候補の噂が流れるやただちに支持を表明していたところを見ていると、吉田次期町長独特の政治哲学・政策を本当に有権者の多数が理解しているのか怪しげなところもないではありませんが(私自身は吉田さん独特の哲学の方に魅力を感じています)。

 ちなみに、加藤梅雄町長は町職員出身、山田市造前町長は海上保安官出身、吉田一男元町長は町職員出身で、全く公務員たる経験がない首長は長久手では非常に珍しく、これも特記すべき事項であると言えましょう。

 稀に見るキャラクターである吉田さんが、長久手町の末代町長として、長久手市の初代市長として、その叡智を最大限に活かしてご活躍なされることを期待しています。

 また、敗れた二人の候補者とその関係者の皆様に対しても、本当にお疲れさまでしたと申し上げたいと思います。

2011年8月28日 (日)

長久手町長選挙投開票日

 今日は長久手町長選挙の投開票日です。最後の町長選挙であり、事実上初代市長を選ぶ選挙ともなります。投票も棄権も有権者の選択するところであり、投票を呼び掛けたり棄権を呼びかけることもまた公職選挙法上疑義なしとしないということですので、私は投票率も含めて有権者の選択を注視したいと思います。被災地の自治体の一部、例えば仙台市議会議員選挙や大槌町の町長・町議会議員選挙も今日が投票日となります。

 私自身は、金曜日に期日前投票を済ませてきました。日曜日は社会保険労務士国家試験の監督主任者として一日中詰めていなければならないため、投票日当日に投票所に行く時間的余裕が取れないと判断したためです(厳密には、終了後ギリギリ間に合うかもしれないスケジュールではありますが)。かつての不在者投票は、私も一度だけ行ったことがありますが、印鑑を持参し、投票用紙に記入した後は封筒に入れて密封した上で投票箱に投じると言う重々しいものでした。現在の期日前投票の手続きは、宣誓書への署名はあるにせよ、それを除けば投票日の投票と異なるところはありません。便利になったものだと思います。

 自身が選挙を戦った後ではじめての選挙となりました。自分が選挙を戦ってみて思ったのは、立候補するということは政策のみならず人物、見識、学歴、職歴、奉仕歴から、遊びやしがらみまで問われるものであり、政策的に何かを成し遂げたい或いは公共奉仕の精神だけで立候補に踏み切れるものではないということです。それだけに、各候補者のマニフェストを真剣に精査するうちに、これだけのものを作り、立候補の決意をして現実に立候補した以上、当選される方を単純に批判すべきではない。非常な決意を持って立候補し当選された方の政策や政治姿勢の良い点を生かせるような方法を進言して行くことも、市民の責務ではないでしょうか。

 私は、誰が当選しようとも、その方の政策に関して更に必要と思われること、補完できることを適宜述べていきたいと思います。勿論、私は公職者ではなく一有権者に過ぎませんし、今回立候補されている三人の候補者の何れに対しても恩を売ったりしていたわけでもないですから、個人的関係を使って提言も要求もできる立場にはありません。あくまで一市民として、誰が読んでくださっているか分かりませんが、提言だけはしていきたいと思います。何もしないことは自分の本位ではありませんし、何らかの形で当選者の耳に提案が入り参考になるのであれば幸甚であるからです(無論、そうならない可能性の方がはるかに高いわけで、そのくらいのことはよく分かっていますが)。

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