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2011年4月16日 (土)

非常時の医療従事者の確保について

 医師不足が叫ばれている中で東日本大震災が発生し、被災地での医療従事者の不足は深刻であると報じられています。医療従事者と言っても、医師だけでなく、歯科医師、薬剤師、検査技師、看護師など、多様です。医師だけ見ても、直接医療に携わる医師の他、今回のような災害の場合には身元を確認したり、死体検案書を書いたりする医師も必要になります。

 長久手町の場合、地域の医療中枢たる愛知医科大学があり、病院やクリニックも多数あります。分野も多岐に渡っており、非常時にはまずこれらの医療機関を効率よく運用する事が第一となるでしょう。そのためには、医療機関そのものが被災しないような対策、医療機器が正常に稼働するような環境の確保が必要になります。薬剤については、薬剤師会と連携して確保する協定がありますが、災害が長期化するような場合には、先に挙げた「自治体間の防災協定」(私はこれを「防災姉妹都市協定」と呼びたいと思います)によって、連携する自治体で取りまとめて供給すると言う事も検討されてよいでしょう。

 医療従事者の確保と言う問題は平時でも難しいのですが、余剰人員を緊急招集するシステムは検討されてよい。そして、看護師はそのシステムを構築する余地が大変多い専門職であると言えます。

 日本の看護師資格保有者のうち、実際に看護師としての業務に従事しているのは約半数に過ぎません。同志社大学大学院の中田喜文教授の調査によれば、正看護師で6割、准看護師で4割という結果が出ています。准看護師に至っては、看護師として稼働しているのは、半数以下なのです。厳しい実習を経て取得する免許でありますから、決して技術が習得されていないわけではない。離職の理由は今回の本論ではありませんので省略しますが、潜在的な供給源として期待はできると思います。

 実際、離職看護師の4割程度は看護師としての復職を望んでいると言う厚生労働省の調査結果もあり、また中田教授の調査では研修プログラムを受けさせることで、復職へのハードルが低くなるという結果も出ています。

 災害時に備えた、休眠状態にある看護師を活用する制度を導入することを、看護師会や看護学部などと連携して構築していく必要があるのではないでしょうか。少なくとも、活用できる人的資源が豊富に存在しているわけですから、これを放っておくのはあまりにももったいない話です。人的資源を有効に行かせるかどうかは、政治や行政が有効な制度を作れるかどうかにかかっています。

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