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2011年2月24日 (木)

政府専用機は本当に不要なのか

 政府は政府専用機の引退を決めました。同型機を保有する日本航空に整備を委託していたのですが、日本航空が経営再建のため同型機を引退させることになり、今後整備を委託する事が出来なくなるためです。
 政府専用機はアメリカのいわゆる「エアフォース・ワン」ほどではありませんが、相応の通信手段を備えています。一方で、内閣総理大臣の専用機というわけでもないので、天皇陛下が利用される場合はそちらが優先されるのだそうです。
 政府首脳が場所から場所を移動するだけならチャーター機や定期便を使用してもさしたる支障はないでしょう。しかし、突発的な事態が生じたときに、ただちにチャーター機を飛ばせるのでしょうか。仮に日本政府が「金は出す」と言っても、航空会社が拒否した場合はどうするのか。実際、イラン・イラク戦争等過去の国際紛争では、日本国民救出のためにチャーター機を飛ばそうとしましたが、組合も反対し結局は飛ばせなかったというのは有名な話です。
 政府与党は自由競争が大好きですから、将来的には国際競争に敗れて日本航空も全日空も消滅したり、或いは他国に拠点を移してしまうかもしれない。そうなったとき、自国の大手の航空会社がなくなることになりますが、他国の会社に要人移動だけでなく、危急の際のフライトも本当に任せてしまって大丈夫なのでしょうか。国によっては有事の際に民間の航空機や船舶を徴発できる制度を持っており、例えばイギリスはフォークランド紛争の際にクイーン・エリザベス2世号まで徴発して軍の指揮下に編入して人員や物資の輸送にあたらせ、そうしたことがフォークランド諸島奪回の原動力となったと言われています。しかし、我が国にはそうした制度はない。
 更に、チャーター機や定期便として運行される機体から、搭乗した政府首脳が緊急時に指揮命令が行えるのでしょうか。仮にヨーロッパへフライトする場合、十数時間かかります。その間は指揮不能ということになるのではないでしょうか。首相がフライト中は、首相職務代理者にでも全権限を委ねておける制度なら話は分かりますが、日本はそのような制度を採用してはいません。
 コストは重要ですが、その反面で危機管理に対する能力が低下することになる。これは無視できません。今までそのような事態にならなかったのは、単に幸運だったからと言うべきでしょう。無論、従来の政府専用機は中途半端の感が否めないところが能力上も運用上もありました。むしろ、こうした面を改善し新しい政府専用機を導入して、現在の機体を退役させるならともかくとして、安ければいいという理由で民間機を使うと言う発想には賛成できません。

 なお、長久手町長は現在セルシオに乗っているそうですが、コストと環境の事を考えたらハイブリッド車にしてしまったほうがよいと思います。特別な通信機器を積んでいるわけでもないのですから、これはすぐにでもできるでしょう。

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